降りた駅の前で、近くにいた人に「救急車を」と頼んだのだという。
たまたま近くにいた赤の他人に119番を依頼するなんて、それはもうよっぽどのことだ。
そして実際、よっぽどのことだった。
脳梗塞。
本人からの連絡が入っていないのが、意識が戻っていない証になってしまっている。
うちの父親も脳をやったことがある。
すぐ近くに母親がいて、すぐさま救急車を呼んだものだから、多少の入院とリハビリは経験したものの、回復して今は年齢相応の衰えぶりになっている。
ずっといつもと同じように働いているようで、なんだかここ2、3日は元気がない、口数が少ないのではと思って見ていた瞬間があった。
父親が倒れた時も、その一週間ほど前に府中に来てもらい、子どもの面倒を見てもらっていたけれど、孫と一緒の楽しさが珍しく伝わってこなくて、「お父さん、疲れてるのかなあ」と妻が言うものだから、早めに休んでもらった記憶がある。
元気がない、体調が悪そうだ。
そう思った相手がいたら勧めるのは内科かもしれないし、自覚症状によっては胃腸科かもしれないし、ひとつ先に気をまわせば心療内科かもしれない。
しかしその候補に、脳神経外科も加えてもらえないか。
元気のなさを脳に結び付けて考えるのはある意味で直接的過ぎるかもしれないけれど、そんなことがあった、そんなことを思った人間がいたということだけでも覚えておいてほしい。
CTを撮って「きれいな脳ですね」と言ってもらえれば、その間に風邪ぐらいの症状ならきっと吹っ飛んでいると思うので。
以上