2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

アサヒサウナ(青森県弘前市)

私は、この弘前の城下に三年いたのである。弘前高等学校の文科に三年いたのである。その頃、私は大いに義太夫に凝っていた。甚だ異様なものであった。学校からの帰りには、義太夫の女師匠の家に立寄って、さいしょは朝顔日記であったろうか、何が何やら、い…

ヘソリンガスのオーバーフロー

俺はよく「生まれてこなければよかった」と口にするけれど、こんな適当な言葉にあっさりと呪われて、「お前は自己肯定感が低すぎる」なんて言ってくる人がたまに現れる。 だけど大体のケースで、こっちはこっちであんたのことを「生まれてきたのが失敗だった…

紅林弘太郎のサヨナラ打と懐古趣味

オリックス紅林弘太郎がプロ初のサヨナラ打。紅林は20歳2カ月。オリックスの選手で20歳以下のサヨナラ打は、61年6月11日東映戦(ダブルヘッダー第1試合)で20歳7カ月の岡村浩司が9回2死からサヨナラ安打を打って以来、球団61年ぶりとなった。 (日刊スポーツ…

毎日サウナ(群馬県前橋市)

・薪ストーブの穏やかなサウナ ・セルフロウリュあり、小声やジェスチャーで「お願いします」「もうちょっと」 ・サウナ室内に照明なし、扉から射しこんでくる浴室の光 ・でかい檜の水風呂が18℃、桶型の一人用水風呂が9℃ ・どちらの水風呂にも天井から水が流…

素朴な疑問かどうかは俺に決めさせろ

「興味はないけど」と前置きしてからブツクサ言ってくる奴は、興味はあるけど実力がない奴。 「素朴な疑問なんですが」と話しかけられると、素朴かどうかを決めるのは、本来投げかけられたこちら側なのではないかと思う。 しかしまあ、東京方言ではそんな表…

皐月賞でアスクビクターモアが勝ったら俺は遠くに行くんだ

あけぼの湯の、音量をどこまで上げてもなにを言っているのか聴き取れないテレビと一緒にサウナに入った後、やっぱり銭湯のサウナはこれだよなと思った。 サウナ代200円を含めての690円。 日常性や習慣性、そういうのを持って入る価格の、本来は限界値のよう…

立川市の西国立駅

はじめて来た銭湯を楽しんだあとの出口、今から10年先の俺を頭から踏んづけて10センチ縮めたくらいのおっちゃんから話しかけられる。 「ここは入れ墨いいのかね」 「いや、すいません、ちょっとわかんないんですけど」 「訊いてきてくれないかな」 おっちゃ…

佐々木朗希に完全試合を達成された話

オリックスは10日、太田椋内野手(21)と佐野皓大外野手(25)が9日に実施した新型コロナウイルスのPCR検査で陽性判定を受けたと発表した。 (デイリースポーツ) 例によって曜日に影響されない生活をしていて、したがって晴れがましく桜花賞が行…

「人生最後の日もサウナへ」

年寄りだから昔の話をする。 あれは2040年2月19日(日)のことだった。 俺は東京競馬場にいた。 2010年ごろの俺は、「人生最後の日は中山競馬場で」などと言っていた気がするが、当時からすでに脳は緩んでいたので定かではない。 おそらくは最終レース、最後…

天才のいないテントサウナ

遠くへ行きたい。 どこでもいいから遠くへ行きたい。 遠くへ行けるのは、天才だけだ。 (寺山修司『若き日の啄木』より) そこそこ山奥までは来たけれど、朝出発して、朝到着して、朝のうちにテントサウナを開始できるくらいの距離。 汗を流す合間に休憩しな…