ケースの中のトマトが艶々していたから、美味しそうだと思ってしまった。
ずっとトマトは嫌いで生きてきたくせに。
物事は結局「艶」なのかなぁ。
俺は玉子焼きにアジフライが付いた定食を食べた。
隣のおっちゃんは、ちゃんぽんにおにぎりをひとつ付けていた。
わざわざ福岡のサウナまで来て食べるものとしては、おっちゃんの選択が正解だといえる。
特に旅人の雰囲気はないおっちゃんだったので、毎回これなのかもしれないけど。
仕事、研究、家庭。
前のふたつは自力で区切りをつけられても、最後のひとつが難しい。
昨日の夜、家族にも自分にもコロナの気配がないのを確認して、ふわっとした気持ちになった。
いや、むしろ浮き足立っていた魂が、臍下丹田に落ち着いた感覚。
久しぶりに不安のない気持ちになって、これで予定通りに九州に、本当に行けるんだと。
先に取ってしまった長崎県営野球場でのオリックス戦のチケットが生かせるんだと。
今日のサウナは中洲のグリーンランドだった。