カプセルイン大塚、大塚バッティングセンター、テーオーケインズ4着

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レジャー白書』によれば順調にサウナ人口は減り続けているはずなのだ。しかしこのところ新規開業の知らせがいくつも流れてくる。どの店もサウナを表すために「最高」「至高」「究極」などの冠をかぶせている。今日行ったカプセルイン大塚には、俺が東京で一番好きなサウナ室がある。店はサウナの設定を試行錯誤し、ついにはストーブを替え、替えた後も試行錯誤を続け、今がある。続けることが大切であって、続けられるかどうかで意志と能力を試されるのだろう。ここは感覚の世界、出来たてで「最高」「至高」「究極」はあり得ないのではないか。店を出て、大塚駅に向かってパチンコ屋の角を曲がったところで、そのカプセルイン大塚のオーナーと会う。「あまり働きすぎたら駄目ですよ」などと生意気なことを言ってしまったが、後になってよく俺の口からそんな言葉が出たものだと思った。これだから自分を信用してはいけない。サウナの後はバッティングセンターに向かった。これもまた『レジャー白書』によれば相当に利用者が減っている分野である。しかしまあ、こんな経済と人口減とコロナのせいもあって、伸びている余暇の分野などほとんどないのだけれど。大塚バッティングセンターは左打席のゲージと最高速(130キロ)のゲージしか空いていなかった。43歳からスイッチヒッターを始める気はないので、最高速のゲージの右打席に入る。あれから四半世紀が経ってもかつての野球部員であって、このくらいのスピードなら当たらないということはない。球速不問でバッティングセンターを楽しめるのが元高校球児のメリットだ。群馬の炎天下で練習した成果をこうして四半世紀後に大塚のバッティングセンターで発揮しているのだ。しかし21世紀の俺はすっかり体の回転が弱くなり、手先だけのバッティングに終始した。これが試合ならショートゴロゲッツーばかりだっただろう。12月なのに滝のような汗をかいて、サウナとバッティングの順番を間違えたことに気づいたがどうにもならない。ほどよくぐったりはできたので、まだ明るいけれど帰ろうと思った。子どもたちと飛び回って遊ぶ元気はないけれど、一緒にゴロゴロすればいい。しかし帰り道に新宿駅で時計が午後3時なのを見て、ウインズに寄り道した。今日はチャンピオンズカップの日で、3時30分発走のはずだ。テーオーケインズからの馬券は朝のうちに仕込んである。単勝1倍台の一番人気はマジョリティもいいところだが、俺はこの馬がちぎって勝つレースが見たかった。砂の上でも芝の上のようなしなやかさで、他馬とは種類が違う走り方をする馬なのだ。しかし伸びて足りずの4着。新宿のウインズは改装されて白く明るくなっていた。周りから「ABEMAは次の試合通信制限するんだってさ」なんて話が聞こえてきて、これは日本代表のクロアチア戦の中継のことだろう。こういう雑多な会話に脳を刺激してもらえるのもウインズのいいところだ。例え馬券はハズレでも。歌舞伎町を歩きながら「新宿は中途半端な銀座を目指しているのでは」と感じていた時代もあったが、それよりも先に、新宿は南口の時代になっていた。