振り返ってみれば、こうして目線を送ってくれてたんだよね、ウインシャーロットは。
一番人気とはいえ、東京で逃げ切って2.8倍は立派なオッズだった。
鈍い俺は彼からのサインを見逃して、D.レーンが乗るルーカスからの馬券を買ってしまった。
東京10レース多摩川S、1着ウインシャーロット、10着ルーカス。
6月になって、今年はじめての東京競馬場。
ダービーも抽選に外れて入れなかった。
外れるのは馬券だけじゃないんだ。
いったい俺はなんのために府中に家を買ったんだ。
なんのためにローンを払い続けているんだ。
しかし広い空間に、射幸心に満ちた有象無象の輩が集まる競馬場の特質を考えれば、今はこうして開催だけは維持されているけれども、元の姿に戻る日はあらゆるものの中で一番最後になるように思える。
(府中白糸台日記「塀の外の競馬」より)
2年前の俺はこんなことを言っていたけど、今は入場者数の制限もだいぶ緩くなって、今日もG1ではない重賞デーとして違和感がないくらいのお客さんが入っていた。
ここでも予想は外れっぽい。
仕事を含めて身辺を見ていくと、新型コロナの感染者数が減ってきたのも確かだけれど、あらゆる緩和にはまもなく選挙がやってくることが影響しているように思える。
ユニコーンSは横山父のハセドンから入ったが、追い込んで届かないのは買ったこちらが悪い。
競馬帰りのサウナは旭湯。
今日はずっと府中で過ごした日曜だった。