夏がしんどい季節になってしまった

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俺は絶対に医療従事者ではないけれど、神奈川で、新型コロナウイルス感染者数の増加に連動してまずいことになる仕事に携わっていて、実際にまずいことになっている。

毎日暗澹たる思いになる現状と数字が目に入ってきても、空は青いし、サンマーメンは3分で出てくるし、闇営業の居酒屋には行列ができていて、横浜市長選の候補者は駅前で大声でカジノの話ばかりをしている。

すべてが現実なんだけれど、なにがなんだかもうわからない。

新生児の命すら守れないくせに(これは本当に聞いて苦しかった。悔しかった)、子どもたちにはパラリンピックを観て学べという。

(『府中白糸台日記』「いったいどう暮らしたらいいのかわからない」より)

ずっと苦しい思いばかりして、あれは一体なんだったのだろう。

たまには俺だって傷ついたと声を上げたかった。

泣きたかった。

大事にしてほしかった。

だからせめて、ここから先は放っておいてほしい。

誰も俺に近づかないでほしい。

一人で死なせてほしい。

(『府中白糸台日記』「緊急事態宣言が続けばよかったのに」より)

木更津の海の近くの保育園か幼稚園か、運動会をやっていた。

小さな園庭の賑やかな運動会。

川の向かいからその光景を見ていて、なんと俺は泣いてしまったよ。

42歳、男性、不審者。

このくらいの歳になると、やたら頑なになる者と、感傷的になりすぎる者と、その他どうやっても分類不可能な者と、だんだん人間の種類が分かれてきた感触がある。

俺は感傷派なのか。

ただこれは夏の仕事の後遺症だと思う。

頑なで、人の話を聞かず、だから人に話を聞いてもらえず、ひとり。

それが本来の自分だと思っているのだけれど。

(『府中白糸台日記』「晴れた日は木更津へ サウナきさらづつぼや」より)

 

あんなことがあった、こんなこともあった。

そんな具合で消化なんてできているはずがない。

しんどいな、2年前の記憶が。

思い出がしんどいから、夏がしんどい季節になってしまった。

 

今日も生きていて、申し訳ありませんでした。

 

以上