東名厚木健康センターの食事処のテーブルの上には「ピンポーン」がない(草加もそうだっけ?)。
あったほうが便利な気はするけれど、席についてみればフロアのお姉さんは俺を放っておいてくれないし、これだけ広い中でピンポーンピンポーンやられても収拾がつかないだろうし、これでいいのだろう。
何年神奈川で働いても、食べ物はサンマーメンとシウマイしか知らないので、サンマーメンを選んだ。
クラフトビールのアフターダークは、子どものころにイメージしていたビールの味がした。
苦みが強くて、いかにも見栄っ張りの大人が「これがいいんだ」と言いそうな味。
俺も歳をとりすぎたので、一人でやってきたくせに格好つけて2杯飲んだ。
午前中でうんざりして、午後の仕事は明日の自分に放り投げて、とりあえずぐったりするために足を運ぶのが相模健康センターだった。
薬湯から見る光景が重なる瞬間があったけれど、ここは東名厚木健康センターなのだ。
なんでもかんでも死んだ男と比べられたら、面白くないだろう。
それとも、いつまでも兄弟に思いを寄せてくれる者は、ありがたいものなのだろうか。
そもそも健康センターが男なのか女なのか、男性名詞なのか女性名詞なのか、そこに意味を持たせる意味があるのか、知らんけど。