「緊急事態宣言が続けばよかったのに」

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今日で緊急事態宣言と、まん延防止なんとかが終わる。

明日から全国の地図が真っ白になる。

これを喜ぶのは当然だというのは、さすがに俺でもわかる。

 

それでも聞こえてきてしまった「緊急事態宣言が続けばよかったのに」の声。

ずっとリモートワークを続けたかったのに続けられなくなったのか、飲食店の再開が目障りなのか、なにか理由があるのだろう。

でもだからなんなんだよ。

 

末端には違いなくても、俺は新型コロナウイルス感染者を少なくするよう努力する仕事をしていた。

そこに「自分の命」の概念はなく、末端だからこその苦労もあった。

ついにこの日を迎えての「緊急事態宣言が続けばよかったのに」には心が死ぬ、殺される。

人間はそれぞれの立場で、それぞれが思ったことを発言すればいい。

俺は普段からそう思ってきたのだけれど、だからこそ人の発言を止めようがないし、自分の心が必然として殺される。

そして心が死ぬということは、人間が死ぬということだ。

 

ずっと苦しい思いばかりして、あれは一体なんだったのだろう。

たまには俺だって傷ついたと声を上げたかった。

泣きたかった。

大事にしてほしかった。

だからせめて、ここから先は放っておいてほしい。

誰も俺に近づかないでほしい。

一人で死なせてほしい。

死体になっても、風化しても、骨だけになっても、誰にも触れないでほしい。

俺にはもう、お前ら一人一人に呪詛を残す頭すら残っていないんだよ。

 

長月は最低で最悪だった。

神無月はいらない。

 

府中白糸台日記 以上