アダムアンドイブは朝のだいたい8時半過ぎ、朝日が差し込む浴室の清掃が終わってすぐのサウナ室に入ると、ふかふかのサウナマットにまだ湿り気のないカラッとした熱さで、そんな中へ『週刊プレイボーイ』を持ち込んで、江夏豊のアウトロー野球論を読むのが好きだった。
今日のアダイブはサウナマットが敷かれていなくて、木のベンチがむき出しになっていて、どうしてかその上にビート板が合わせて23枚並べられていた。
よくあるサウナ室の手前でシュッと消毒して持ち込むあれが、あらかじめ並べられていた。
この店なりのコロナ対策かと思ったけれど、最初から並べてしまうのであれば、汗が染み込まないビート板のほうが危険なようにも思う。
しかしまあそのあたりは、なんとなく言語が通じにくいアダイブらしさが出ていて憎めないのだけれど。
休憩室で飲むオロポが、ジョッキからプラのカップになっていた。
今年はバースデー招待券も送られてこなかった。
タオルを使いすぎないで!の貼り紙も結構な切実さを含んで書かれていて、アダイブも普通のサウナ屋になってきたのかなと思った。
しかし奥のほうから「辛ラーメン、タマゴ2つ落として」の声が聞こえてきて、その辛ラーメンが1100円するわけだから、アダイブはもうしばらくはアダイブであり続けるだろう。
俺はこの店に、1000円安い月曜と火曜にしか来たことがない。