車両の中間ドアにもデッキがあると北海道だなと思う。
春になっても、ここはやっぱり雪の国。
いちいちこういう、手間のかかった車両を使わなければならない時点で、JR北海道はしんどい鉄道会社で間違いない。
札幌の時計台がガッカリ名所に挙げられているのを見たことがあるけれど、そんなことはないよ。
どうやったって高知のはりまや橋にはかなわないって。
それに時計台は、中の展示もおもしろい。
札幌の時計台と、世界の時計台と、札幌の街の歴史の話。
途中で熊と会ったら困るので、先に雪印パーラーで挨拶しておいた。
「そのうち府中にも行くから、よろしくな」と言っていた。
へー、こんなところに!
といいたくなる場所に地下鉄の駅があるのが札幌なのだが、この土地では地下を走っているのがなにより重要であるのは理解できる。
地下鉄南北線の北34条駅からすぐそこにある奥の湯。
背中のカラフルなお客さんが多くて、ここはこのあたりのそういう人たちをフォローしている銭湯なんだとすぐにわかった。
「新・汗・覚」の「エンセキサウナ」では、サウナストーブを鉄格子で守っていて、これもまたわかりやすいと思った。
脱衣所に置かれていた『北斗の拳』のワイド版で、奥の湯の雰囲気は貫徹されていた。
この日はオークスの日だった。
北の大地から仕込んでも、馬券は当たらなかった。
来年のオークスでは、ブラックシリカという名の馬が走っていそう。
屯田という文字を見れば屯田兵は知っているけど、字面には慣れないというか、不自然というか、バグった表示を見たというか、そんな感覚になる。
ずれてカセットが刺さった、ファミコンのドラクエ3のフィールドを歩いていると思えば。
札幌駅の北口からずっと歩いた。
地元の人に話したら「はんかくさい」と言われそうな距離を歩いた。
知らない土地を歩くのが好きなんですと伝えたら「じょっぱるんでねえ!」と返されそうだ。
そうして、札幌市北区屯田7丁目にある天然温泉あしべ屯田に着いた。
ユーランド鶴見と、唐揚げとザンギをトレードしたような温浴施設だった。
サウナ→水風呂のあと、ぬる湯で休憩していると、上の階の脱衣所から階段で浴室に降りてくるお客さんたちがみんなニコニコしていることに気づいた。
ゴムタイヤの地下鉄に乗って、夜は主を失った札幌ドームに近い月見湯へ行った。
あしべ屯田はお客さんから愛されていた。
月見湯はそれに加えて、月見湯のほうからお客さんを愛しにいっていた。
夜はすすきのの石狩の湯ドーミーインPREMIUMに泊まった。
東京では手の届かない値段になってしまったドーミーインだが、ここでは日曜夜に6000円台での宿泊で、札幌までやってくる最後の決め手がこれだった感もある。
しかしサウナ室は2人か3人で汗をかくサイズで、そこを狙ってくるとちょっと弱いかもしれない。
ドーミーインでサウナの前に行列をつくるイメージはないもんね。
とりあえず、以上。