今日で11月が終わる。
だからなんだ。
仕事から逃げたい、家庭から逃げたい、繰り返す日常から逃げたい、いっそ自分自身から逃げたい。
きっと来月の俺は、有馬記念で逃げ馬からの馬券にぶち込んで、沈没すると思う。
逃げるのはタイトルホルダーか、福島記念で大逃げを決めたパンサラッサか、それとも復活のキセキか。
こうして名前を挙げてみると案外魅力はあるけれど、きっと俺が単勝馬券を買ったら3コーナーで手応えがなくなって、4コーナーで沈んでしまうだろう。
そうして今年が終わっていく。
酷い夏を過ごしたせいで、今年の俺はもう11月で売り切れてしまった。
人気もないのに、誰にも買われないのに、売り切れてしまった。
気力はもともと欠けていたにしても、体力がない。
体が痛い。
頭が痛い、目の奥が痛い、首が痛い、背中が痛い、ふくらはぎが痛い、足の裏が痛い。
不思議と膝は痛くなったことがない。
「心配するな、うまくいくよ。しかしもうちょっと速く歩けよ。いまは、いそがしいんだから」
と、スナフキンがいいました。
すると、ヘムルが、すてばちにどなったのです。
「なに、いそがしい。そうか、みんないそがしがって、がさがさしよって。この世界には、どこにも平和がないわい」
今日は2021年の13月20日あたりを生きている体感だった。
今年は長い。