懐古主義者のカプセルイン大塚

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毎日オリオンズで史上最速の2000本安打を達成した榎本喜八は、本拠地にしていた「光の球場」東京スタジアムが解体される際には、毎日足を運んでその様子を見守っていたのだという。

そんな打撃の達人にはとても敵わないけれど、俺は大塚駅を下車するたびに、かつてのサウナ玉泉跡を見にきてしまう。

今は解体を終え、ワンルームマンションは基礎工事に入っている。

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生きたサウナに入る前に、死んだサウナに会いにいく懐古主義者。

このカプセルイン大塚は7月に改装して、いかにも現代なikiストーブを備えて、オートロウリュでサウナ室に長居はさせない、いいサウナになった。

改装前のカラカラ設定のサウナが悪かったわけではないのだが、今がいい。

懐古主義者にそう言わせるのだから間違いない。

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サウナの途中、オーナーと顔を合わせたら「あれ、今日は駒込のサウナに行かれるんじゃ?」とニヤリと笑う。

どうもサウナ屋のお偉いさんには「ニヤリ」と笑うタイプが多い。

ニューウイングの支配人あたりは言わずもがなである。

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今日の夜はどうしてか家から追い出されてしまったので、俺は喜んで外食にした。

カプセルイン大塚からすぐそこのとんかつ美濃屋。

岩中ポークの特上ロースカツ定食なるものを食べたかったが、小遣い生活者ではどうにかできるものではなく、結局カツカレーにした。

大きな平皿にのって出てきて、こんなにでかい皿は家の食器棚にはとても入らないと思い、こういうのが外食のいいところだよなと思った。