調布は先に俺を嫌っていた

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ここは狛江市西野川4丁目、バナナ公園こと緑の丘児童遊園。

先週に息子を連れてやってきた公園も、夜になると柵が閉められるのは知らなかった。

誰もいない公園の写真を撮っていたら、知らない親子が自転車の二人乗りで笑いながら通り過ぎていった。

あれは間違いなく俺のことを笑っていた。

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その息子とバナナ公園に来た時に煙突が見えて、ああここに銭湯があったんだよなと思い出した富の湯。

今日はその富の湯を目的地にして、仕事帰りに一人でやってきた。

あとの家族3人は、友だちの家にお呼ばれをして今夜はお好み焼きなのだという。
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富の湯のサウナ室は大雑把に細長く、シンメトリーの発想がない。

頑張れば10人程度座れそうなスペースはあるが、首を捻らずにテレビを見られる場所は1席もない。

浴室はそれなりに賑やかだったが、サウナ利用客は俺一人のままで、6時半からの1時間だった。

狛江まではサウナブームが届いていないのかもしれないし、ならばそれでいいと思う。

露天風呂には酒瓶とタヌキが並んでいた。

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サウナの後は調布でラーメン。

家系ラーメンと書かれていたけれど、なにがどうなると家系なのかは理解していない。

理解していないまま食べている。

最近は美味い不味いより、定義から語りたがる評論が流行りらしく、どんな世界も煮詰まってきているんだなと思う。

調布はかつて働いていた街で、働いていた思い出ばかりだから、人も空気も街並みも嫌いだ。

俺が調布を嫌ったところで、調布は先に俺を嫌っていたのだから、なんにもなんにも、問題はない。

今日は「狛江営業所」のバス停で、来たバスに乗ったら調布駅南口に着いてしまって、降りたら適当に懐かしいものだから始末が悪い。

 

明日は4連休の初日らしいが俺はもちろん出勤で、100%ろくな日にはならない。