数学の才能があったら、どれだけ人生に幅ができていただろうか。
資本家の家に生まれたら、どれだけ余計な労働をせずに生きられただろうか。
行きたかった高校を受験できていたら、どれだけ順調に人生の時間が進んだだろうか。
幸せな結婚ができていたら、どれだけ家に帰るのが楽しみだっただろうか。
字が上手かったら、どれだけ堂々と履歴書を書けただろうか。
ここが競馬の無い国だったら、どれだけのハズレ馬券を買わずに済んだろうか。
全ては推測。
金も名誉も欲しいのは、貧しい心で生きてきた証。
小学生の俺に会ったら謝りたい。
謝るしかない。
あらゆる人間が信用できないと思った時、「あらゆる人間」には自分が含まれる。