山梨は夜になるのを忘れてしまった

f:id:tsumetaimizuburo:20210517011948j:image

失えば人は傷つく。

失ったものを取り返そうと思えば人は病む。

今日は同僚からそんな話を聞かされながら、給料にならない仕事もどきをしていた。

「これででっかくて甘いコーヒー買ってきてよ。2人分で」と千円札を2枚渡した。

同僚は雨に濡れながら、スタバからコーヒーの入った袋だけは守りながら帰ってきた。

「お釣りはいいよ」と小銭で格好をつけつつ、かえって申し訳ないことをしたと思った。

男っていうのは、どうやっても、親権は取れないもんなんだな……。

f:id:tsumetaimizuburo:20210517012736j:image

一昨日行った、都留のより道の湯。

かつて山梨に住むことになって、まず驚いたのが日の入りが早いこと。

すぐに、あっさり、「残業なんてまっぴらだ」と言わんばかりに、太陽が山の向こうへ消えていく。

山梨というのはどこをどう切っても大抵が盆地の地形であって、盆地から解放されようと思ったら山そのものに登ってしまうしかない。

それでもこの季節はさすがに、山梨なりにだが日は長い。

18時を過ぎても明るい中で外気浴をしていると、今日の山梨は夜になるのを忘れてしまったのかと心配になる。

それからより道の湯のサウナ室は、コロナ時代の決まり事で「換気です」と、1時間に1回お兄さんが大きな団扇で扇いでくれる瞬間に、実は一番いい熱を感じられるのは誰にも教えない。