故郷へ還る

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元京王5000系であり、現富士急行1000形の車両。

富士急行線の規模とあの頃の乗車頻度からいって、この車両には18歳の俺が乗っていたことに間違いはない。

まだ元気だったよ、当時は俺も1000形も。

俺の元気はどうでもいいが、1000形は大月駅の片隅に車止め付きで留置されていた。

まだ運用されていればいいけれど、剥げた塗装で放置されているのを見るに前途は長くなさそうだ。
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「○○廃絶都市宣言」をする自治体は、今あるものを廃絶をする必要があるからわざわざ宣言をするのだ、という話がある。

暴力団のある街は……というやつだ。

しかしこれを見る限り、大月市には核兵器があり、平和がないということになる。
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この店が、現役だった頃を知ってるよ。
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大月の自動車学校に通ってた。

その時この店でよくメシを食った。

こまっちゃんは確かラーメンが300円とか、桁違いとまでは言わないが、一般的な価格の半額でメシが食える店だった。

別に量が少ないということもなく、特別に美味いということもなかったけれど、都留高生に混じってラーメン食ってた。
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やっと県境を越えられるようになって、まず行きたい故郷は山梨だった。

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いつか山梨に帰るんだと。

ここでいう帰るとはまた住むの意であって、日帰りで思い出トラベルするだけでは実現されない。

俺は四十路に入ってしまって、子どもたちはどうやら東京で大人になりたいらしく、すぐに戻ってくるのは難しそうだ。

ただ俺は諦めの悪い男なので、どうしても無理なら骨になってからでも、この地へ戻ろうと思っている。
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山もとうどん(「もと」は平仮名で正しい)で肉の大盛にキャベツ追加。

かつて好んだあの店は、もうとっくに閉店してしまった。

吉田うどん(かつては都留にあれば都留うどんだったが、吉田うどんが有名になったので統合されたらしい)の店は、どこもちょっとしたスペースで開業できるので栄枯盛衰が激しい。

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セルフうどんの次はセルフ踏み切り。

向こうに行きたければ自分で遮断機を上げて通る方式。

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腰を悪くしたことはないです。

あまり使っていないから?

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全般的にスタミナがなくなった、粘りがなくなった、欲がなくなった。

かつて過ごした街から魂を回収できず、彷徨い続けながら衰えて消えていく。
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子どもが生まれてからしばらくは妻に似てるなと思ってたんだよね。

それでよかった。

5歳になった頃、ああ俺に似てきてしまったなと思って、この子は俺の生き写しなんだと思って、この子と5歳の頃の俺がかわいそうになった。

そんな思いになったことがあった。

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で、当たり前のようにサウナに寄る。

ここは都留市のスターらんど、穴場というか穴にしかなり得ない立地。

最寄りは赤坂駅で響きだけは都会的だが、実際には富士急行線の小駅だ。
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サウナ室の板が貼り替えられていた。

富士の恵みの水風呂は相変わらずキンキンに冷えていた。
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富士急行線は大幅減便中だった。

新型コロナウイルスの影響で、インバウンド需要が全く消えてしまったのでこうなっている様子。

富士山には登れないけれど、いいサウナと水風呂と温泉はあるので、皆さん、今年はチャンスだと思って足を運んであげてください。