働くのが嫌になったから、午後は鎌倉へ行った。
こういうね、気持ちがいじけてきた時はね、だいたいね、横須賀のサウナトーホーか座間の相模健康センターに行ってたんだけど。
しかしまあ、どっちも閉店してしまうとはねぇ。
いわゆるサードプレイスってやつですか。
心安らぐための居場所。
この「サードプレイス」って言葉の響きが嫌いで、実際は言葉そのものよりもこれを使いたがるヤツが嫌いで、そんでもってあえて使ってみたんだけど。
求めているのは魂の置き場。
サードプレイスではなく魂の置き場。
意味は……結局ほとんど変わらんか。
以前に来たことがあって、でもそうそう来るところでもなくて。
そういう場所に来ると最近はしんどいんだよ。
「ああ、前に来た時はマスクの要らない世界だったのに」なんて思ってしまって。
距離を取れ、会話をするな、飲み会は論外。
これまで俺が望んできた社会は、実現してみるとこんなに息苦しいものだったとは。
世界中を俺の本厄に付き合わせてしまったことについては、もはやお詫びの言葉もありません。
こんなに空いている江ノ電に乗って、こんなに人がいない鎌倉を歩いたのは今日が初めて。
なんにもない頃にGoToやっといたらいい政策だったんじゃ、と思ったけど、この国の財政は破綻寸前という設定になっていたから、そんなのはあり得なかったわけか。
いつか平常に戻る日が来たとしたら、我々はまた人生を楽しむ外国人をもてなすための日本人に戻るのだろう。
時代が違えば、新しい宗教が流行ったかもしれないし、大仏を建立したかもしれん。
接触もままならない時代に、今ある宗教法人さんたちはどうやって対応してるんだろう?
で、今日のサウナは江ノ島の稲村ヶ崎温泉駅から海へ向かって歩いて5分、稲村ヶ崎温泉へ。
入浴料は1500円、レンタルタオルセットを付けると別途520円。
お楽しみのサウナはカラカラ寄りだが90℃を切るあたり。
対流式のサウナストーブにはあからさまにでっかいストーンが乗っかっていて、ロウリュしたい欲求との戦いだった。
見た目は黒湯、呼び名は「黄金の湯」。
お湯にはときおり砂金が混ざっているとかいないとか。
ぬるめの内風呂が気持ちよくて予定より長く入ってしまった。
オーシャンビューの浴室だが、それを売りにしがちな観光ホテルのような大袈裟感はなく、こじんまりとしている。
江ノ島の向こうに太陽が沈みそうになってきたので、ぼちぼちと出ることに。
帰ったらもう一度、子どもたちと風呂に入らねば。
あ、水風呂もしっかり黒い色してたよ。
あー、サウナ室の緑の12分計が珍しかった。
あまり聞きなれないメーカーの名前が書かれていた気がしたが、忘れてしまった。
夕方が一日でいちばんいい時間なんだ。脚を伸ばして、ゆっくりするのさ。
【稲村ヶ崎温泉】