横浜での研修を終えた帰り道。
サウナに寄ろう!となれば、順当なら横浜駅直結のスカイスパ。
捻りを加えてスパイアス、足を延ばしてユーランド鶴見かおふろの国か。
しかし俺には行ってみたいところがあった。
そして気持ちよくぶっ飛ばす京急にも乗りたかった。
だから品川方面へ。
行きたかったのは金春湯。
最近サウナ好きの筋ではよく聞く金春湯。
金春湯と書いて「こんぱるゆ」。
品川区にあるということしか頭に入っていなかったから、品川駅で降りればいいと思っていたから、京急と発想が繋がったのだ。
快特が平和島を通過するあたりで最寄りは大崎駅であることを知った。
知ったというか調べたわけだが、つくづく令和は便利な世の中。
大崎駅は品川駅の腰巾着というと言葉が悪いが、まあ続きもののイメージを持っていたわけだが、それは誤りだった。
西口から金春湯までは懐かしくなるような「普通の街並み」。
いくらでも浪費しろ!
とは言いにくいご時世だけど、節電の文字は見たくない。
嫌な思い出。
金曜の夕方なのに静かなんだよなあ。
俺は大崎のことなんてちっとも知らなかった。
大崎に偏見を持っていた。
大崎に謝らなければならない。
落ち着いていて、古き良き商店も生きていて、時代になんぞ流されてないという意地も感じられて、このあたりはいい街。
俺には知らない東京がまだまだ残されている。
もうしばらく、生きましょうか。
やっと目的地の金春湯。
住宅地に馴染んだ店構え、勝手に抱いていたビルの谷間に埋もれたイメージではなかった。
品川区と聞くと高層ビルばかりが浮かんでしまう、田舎者の脳みそだから許しておくれ。
サウナ利用は銭湯料金にプラス300円。
シャンプー、ボディソープは備え付けあり。
サウナは入った瞬間空箱?と思えるくらいに何も無い長方形。
テレビは無く、音楽も無く、サウナマットは受付で借りたものを自分で敷く方式。
顔が熱くなり、多少熱がサウナ室の上方に溜まっている感覚だったが、そこはタオルをヘリコプター回しして拡散する。
自分の居場所は自分で作る、快適な環境は自分で生み出す。
自分で、自分で、自分で。
それでもたまには誰かに甘えないと、人生の長丁場はしんどいよ。
排水口の隅切りがあって七角形の水風呂は18℃、腕にも足にもかなりのあまみ。
風呂上がりは風通しのいい休憩スペースで、クラフトビール600円のおつまみ付き。
こうして穏やかに、気持ち良く週末に入っていく。
研修の内容はもう忘れた。
頭を下げることなんてないよ。
こちらこそありがとうだよ。
また来るよ、金春湯。
【金春湯】