父親は仕事に疲れ、息子は学童保育に疲れ、だから今日の午後は疲れた二人で高尾山へ。
父親が疲れているのはいつものこと。
サウナが好きです!
と言い切っておいて、愛好家の顔が土気色ではその効能も信じてもらえまい。
サウナ業界に申し訳ない。
願い事は、自分以外の家族の幸せ。
父親なんてそれでいい。
お前もいつか自分の子どもを連れて来るかもなあ、なんて言いながらも、もう結婚と子どもを持つことがマイノリティな世の中に確実に向かっている。
滅びゆく日本人。
それも自滅に近い。
俺は何にでも口を出したがる親にうんざりしながら育った男だから、反動で過度に子どもの自主性に任せる父親になるだろうし、現状でもそうなっている。
「あの時なにか言ってくれればよかったのに」などと、逆に恨まれてしまう場面も出てくるかもしれない。
何事もバランスは難しいが、まあ家族だからね。
俺に足りないものは妻に補ってもらおう。
マンションの自治会は俺が。
学校のPTAは妻が。
見よ、この鉄壁のフォーメーション。
身体にいいものはお前たちが食ってくれ、俺は美味いものを食う。
下山した後は京王高尾山温泉でメシ食って、風呂入って、デザート食って、帰った。