とんでもないサウナに来てしまったと思った。
休憩室のテレビには平塚競輪、今日は競輪グランプリの日。
それが10レース、大一番の11レースともに落車が出る波乱のレースになってしまったからたまらない。
休憩室では土佐のいごっそう達が土佐弁でまくし立てているが、何を言っているのかひとつも理解できない。
分かるのは怒り狂っていることだけ。
高知駅北口から徒歩で10分もかからない。
1階には銭湯、2階にはサウナ。
それぞれが独立していて中は繋がっていない。
けれどどちらも、高砂湯。
俺はもちろん2階の高砂湯へ。
常連さん達のマイロッカー。
カラフルなサウナマットが、質実剛健な高砂湯の雰囲気と釣り合っておらず面白い。
一昔前の家庭用風呂を思わせるような、ステンレス製の水風呂が一段高い場所にある。
浴室内やサウナを見下ろしているようで、この高砂湯で一番偉いのは水風呂なのかもしれない。
豪快に掛け流し状態で、入ってみると深さもあって、気持ちのいい水風呂。
おそらくは17℃くらいだろうか。
塩素臭は全くしない。
ドライサウナは80℃ほど。
それほど熱々でもないが、発汗が進むタイプ。
もうひとつ恐ろしげな扉を開いて入るミストサウナもあって、こちらは配管剥き出しのレトロな造り。
この高砂湯は昭和29年の創業らしい。
全体的にレトロでバイオレンスな雰囲気に包まれているサウナだが、受付のお姉さんがとにかく綺麗だった。
話してみたら土佐のはちきん、なかなか芯の強い女性の可能性もあるが、余計な声などかけると奥から怖い人が出てきそうでとてもそんな気にはならなかった。
このアンバランスさがまた、異世界感を醸し出している。
年末年始は休み…などと野暮なことは言わず、元旦は普段より1時間早く開店するのだという。
2018年のサウナ初め、高砂湯を選んだら激しい一年間になりそうな予感がする。
【高砂湯】