親子連れの乗客から、心なしか冷ややかな目を向けられながら、レゴランドのラッピングトレインを降りて、名古屋競馬場へ向かう。
そんな2020年の2日目。
昨日までいた高知競馬場には、家族でいらっしゃいの雰囲気があった。
実際に競馬場には子どもたちの声が響いていた。
それに対して名古屋競馬場は賭場だ。
小さくとも子ども向けのコーナーはあるし、実際に子どもの姿も少なめだがある。
しかしここの雰囲気は賭場だ。
間違いなく賭場だ。
再来年の春には弥富への移転が決まっている。
それまでの間は、わざわざ金を使って小綺麗な競馬場を演出することもしないのだろう。
ところで弥富は愛知県弥富市。
名古屋競馬は名前を変えなければおかしいことになってしまう。
愛知競馬になるのか、それとも弥富競馬?
変わらず頑張り続けている宮下瞳ママ。
パドックで馬上のママになる際、厩務員さんに「よろしくお願いします」の声を掛けるのが可愛らしい。
女性の年齢に触れるのは野暮だが、俺より年上でこんなに可愛らしい女性は、宮下瞳しか知らない。
しかしなあ、時代とはいえ専門紙の600円は高い。
全レースやれば1レースあたり50円だが、バラ売りはされていないわけで。
調教欄も「中間軽目」ばかりで何が何やら。
事実を書くしかないから、こうなることは仕方がないのだろうけど。
場内にあるレストランは、名前が泣かせる「あらぶ」。
うなまぐろ丼は700円。
弥富にいったらこういうお店もなくなってしまうんだろうね。
ネット投票特化型のナイター競馬にするらしいし。
「なんでわざわざ現地まで行って競馬するの?」の時代になっている。
家の中は暖かいし、喫煙所を無視して歩きタバコをするおっさんもいない。
人手が掛からなければ、運営側も経費を節減できる。
それはもう先達として、ミッドナイト競輪の大きなメリットとして語られている。
馬券はたくさん売れてほしい、しかし観客は邪魔。
それが僕らが夢見た令和の競馬だったということだ。
そういう自分も、わざわざ名古屋競馬場まで来て園田競馬の馬券ばかり買っていたのだから、同じようなものだ。
この日の園田競馬は頭が堅そうなレーズが多く、検討が楽だったもので。
本当に補填し切れたかどうか、そんな丁寧にカウントする神経があったなら、きっと競馬なんぞやっていない。
真っ白で海岸のような白い砂なのに重馬場の発表。
この光景も、あと2年で思い出になるらしい。