「男には帰れない夜がある」は名フレーズだ。
しかし帰れない夜を帰らない夜として楽しんでしまうと、帰りにくい朝がやってきて帰れない家になってしまう。
男38歳、周りではいろいろある。
まだまだ俺はいろいろの仲間には入りたくない。
できれば一生入りたくない。
しかし自信はない。
平凡とは、なんと難易度の高い生き方なのだろうか。
川崎駅の地下街、アゼリアの36番出口から向かうと分かりやすい。
ポイントになるのは小土呂橋の交差点。
道端に座り込んで酒を楽しむおっさんたちの間をモーゼのように割って、初めての川崎ビッグ。
3時間1100円。
入口から受付までは、こじんまりとはしているがちょっとしたホテルくらいの雰囲気はある。
川崎球場を本拠地に戦ったロッテオリオンズ以来、川崎の街には勝手にアウトローなイメージを持っているもんだから(あながち間違ってもいないと思うが)、ここでは場末感のなさに意表を突かれる。
なんとか入れてもらえてよかった。
施設全体に、そこはかとなく漂う化学的な香り。
浴槽の塩素臭かと思ったが、サウナ室でもそれっぽい感じがするし、なんならロッカー室までそれっぽい。
消毒や消臭が結果的に新たな匂いを生み出しているケースもある。
川崎ビッグ、清潔感はあるのだがこの匂いに慣れるかどうかがリピーターへの分かれ道らしい。
サウナは高温と低温の2種類あって、高温は98℃。
言語明瞭だが意味不明瞭な独り言を続けながら汗をかいているおっさんがいて、確かにここは川崎だと思ってしまった。
川崎の皆さん、ごめんなさい。
水風呂も2種類、22℃と32℃。
正直22℃の冷えでは物足りなかったが、猛暑でチラーが弱ったエピソードには事欠かないこの夏。
今日のところはジャッジ保留が賢明か。
川崎ビッグの水風呂は継続審議ということで。
どことなく無機質な造りで、お互い関わらないお客さんで構成されたサウナという印象。
田舎に住んでいた頃、イメージしていた都市型サウナの姿。
大人になっても、いくつになっても、かき氷はやめられないけど。
あ、あと川崎ビッグを語る上で欠かせないのは浴場にいわゆる「スケベ椅子」が置かれていること(amazonでも「業務用スケベ椅子」として売られてる!)。
最近では介護の現場でも使われているとのことだが、一人で体を洗うだけだと座りにくいし、なんとなく寂しいね…
サウナの後は川崎競馬を楽しんで、最終レースが終わると皆で堀之内のソープ街を突っ切って歩いて帰る。
やはり土地柄、スケベ椅子なんだろうか。
でも本当になんで?
【川崎ビッグ】