質問の前に「素朴な疑問なんですが」と付けられると、素朴かどうかはこちらが決めるものだと思ってしまう。そんなことにいちいち引っかからずに受け流してしまえばいいのに、内心だけでもムッとしてしまうのは、俺の心が疲れているからだろうか。いや、もうこれが本質なんじゃないか。かつては受け流せたけれど、今では受け流せなくなった。前頭葉の衰え、頑なになっていく思考、顕在化する底意地の悪さ。ほんと、どんどん嫌なやつになっていく。とっくに人生の後半戦のつもりだけれど、もしかしてこれからきっちり倍の年数を生きてしまったら、今の2倍酷い人間になるのだろうか。いや、違う。こういうものは指数関数で考えていくものだから、もっともっと想像を越えて何億倍も酷くなる。少なくとも自分を善人のサイドに置いてものを考える時代は終わった。このまま順調にいけばきっと、俺は戸田の病院で発砲するジジイになって、蕨の郵便局に人質を取って立てこもるジジイになる。こうなったら世の中のためだ、俺に安楽死をくれ。俺ひとりのために世の中なんか動かないというのなら、他にも氷河期世代から志願者を連れてくるから。俺はこの世代にしては意地になって粘ってきたつもりだったけれど「直線半ばで力尽きました」くらいの終わり方になりそうだ。ゴールまで無理矢理に走らされるのはしんどすぎる。脚が止まったところで競争中止の扱いにしてほしい。どちらにせよ馬券の圏外に変わりはないし、そもそも俺の馬券など買っているものはいない。最近はパドック解説で「父親はそうでもなかったんですが…」なんて言われている馬を見ると愛らしくて仕方がない。子どもたちには冴えない血統を乗り越えて生きてもらうしかない。ニホンピロウイナー産駒のメガスターダムは菊花賞で3着に入った。適性や、おのれの運命を越えてやっていける人間はいる。無理ではない。ただこんなことを言う時点で、理不尽なハンデ戦には間違いないんだけど。そんなことやあんなこと、イオンのフードコートで「なんで11月まで生き残ってしまったのか」と思いながら、ハンバーガーを喰らう昼休みだった。
10月31日、埼玉県蕨市の郵便局に86歳の容疑者が人質をとって立てこもった事件で、容疑者が発砲への関与を認めた病院について「受付窓口の対応に不満を持っていた」と説明をしていたことが捜査関係者への取材でわかりました。郵便局に対しても不満を持っていたとみられ、警察は一連の事件の動機を調べています。
（NHK NEWS WEB）
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