「新しいサウナに入りにきた」と素直に伝えるのは悔しいので、「今日は紫陽花の具合を見にきた」と言った。
ニューウイングは墨田区役所ではない。
まして支配人は選挙で選ばれた公職ではなく(社内で選抜された存在ではあるのだろうが)、長崎のおじさんである。
新しく造られた「からからジールサウナ」にはラジオが流れている。
音がないほうが、あるいはボナサウナと同様にテレビがあったほうが。
種々の感想はあれども、ここは長崎のおじさんのサウナなのだ。
彼がサウナにラジオを流したいのだから、ここにはもうラジオが流れるしかないのだ。
ジールサウナに入るとボナサウナが懐かしくなり、空いた隙にテルマーレ改に入るとオロポのかき氷が食べたくなる。
そして帰る気分が失われる。
長崎のおじさんに「今日は息子さん連れてこなかったの?」と訊かれたけれど、息子はカタギなので、今日は学校に行ってました。