気分そのものが鬱というのと、具体的に鬱になる要素が周囲にたくさん転がっているのと、両方ある。
昨日から鬱々としていたけれど、今朝起きてみたら意外にも体は動いた。
動けるうちに思い出を作ろうと思い、家を出た。
稲田堤駅の窓口で「美味しいから揚げが食べられる駅はどこにありますか?」と尋ねたら「尻手で降りてください。あとはなんとかします」と告げられた。
尻手駅で降りたら改札前に小人たちが待っていて、こっちこっちと突っつかれて俺は鶴見川の先まで誘導された。
導かれておふろの国。
有料制と定員制が導入された朝熱波に、最後の17人目で間に合った。
朝熱波はギリギリでも、食堂には一番乗りだった。
から揚げ噴火定食をガーリックバター。
俺は先週まで鶴見で働いていたけれど、その帰りに寄った時よりも、おふろの国の店内はずいぶんのんびりしているように見えた。
人たちの表情も柔らかかった。
世の中の見え方なんて、結局は自分の気分でしかないのだな。