阪神でいえばバース掛布岡田の「ダイナマイト打線」、世紀末の横浜は「マシンガン打線」、往年のオリックスなら「ブルーサンダー打線」、在りし日の近鉄はもちろん「いてまえ打線」。
少しでも隙を見せると攻め込んでくる。
俺もほんのちょっとの休みを手に入れたら、すっかり西武の「山賊打線」に打ち込まれてしまった。
今日の俺は夕方になって、ようやくヨタヨタと、立ち上がって歩きだした。
お前らが在宅でテレワークとやらをやっていた時、「人命が大事だからインフラはいりません」と言ったか?
一度でも、そういう思いを持ったことがあったか?
俺はインフラを維持するために、狂人ばかりが視界に入る街の中で働いていた。
5月6日、職場に向かうために駅の改札を出ると、2人の男と1人の女がソーシャルディスタンスを無視して近寄ってきた。
女は言った。
「緊急事態宣言の延長が、自粛要請が、それでもお出かけですか?」と。
(府中白糸台日記『岡村隆史が生きやすい世の中』)
あの改札前で構えていたのはFM局のレポーターだったという話、市民活動家だったという話、両方があったけれど今となっては真実はわからない。
しかし相手が誰でもせめて怒鳴りつけてしまえばよかった。
刺したって後悔などしなかった。
ずっとそんな中でやってきたんだもん、そりゃ壊れるわ。
むしろよく立ち上がれる程度の壊れ方で済んだと言える。
俺はここまで本当によくやってきたよ。
ただあまりよくないと思うのは、これが自分へのいたわりというより、離人の感覚であること。
忌々しいオリンピックとパラリンピックのバナーが消えて、府中はFC東京とラグビーの街に戻っていた。
人の精神的に凹んだ状態というものを、人がそうなりうることを、おそらく妻は理解していない。
かつて俺がパワハラ警察をする中で認知した、そもそも理解ができないタイプなのだと思う。
ただしそれはそれとして、横になって動きたくない状態の俺を認めて、尊重してくれた。
それで十分ありがたい。
嫌いなことばかりをしていると、世の中のすべてを嫌いになってしまう。
苦手なことばかりをやっていると、得意だったこともできなくなってしまう。
ここに素晴らしいサンプルがいます。
で、今日のサウナは歩いてやってきた府中のあけぼの湯。
水風呂の蛇口がずっと掛け流しなのがいい。
サウナ室のテレビは何年経っても音を聞き取るのが至難の業。
黄色信号の左上に、白信号として灯っているのがプレ中秋の名月。
本番の明日の夜空は怪しいらしい。