「お手数」を「おてかず」と読む人と仕事をしていた日。
「おてすう」か「おてかず」か。
結局はどっちでもいいらしいのだが、今まで周りは圧倒的に「おてすう」が多かった。
「てかず」と聞くとボクシングの攻め手の数を連想するくらい。
俺はどこへいっても攻められて、責められる男なのだ。
「てかず」「てかず」「てかず」、そればかりが耳に残る一日だった。
しばらくは「おてかず」のお姉さんと働く日々。
どうも苦手な南武線を50往復ほどする頃には、夏が終わっていて、もちろんオリンピックもパラリンピックもとっくに終わっていて、俺の鶴見での仕事も終わってしまうらしい。