群馬県には上州福島駅があって、「木曽路はすべて山の中」の長野県には木曽福島駅がある。
この日降りたのは、路線図だけを見ると大阪駅の隣にひっそりと寄り添っている、大阪環状線の福島駅である。
ここは大阪府大阪市福島区、駅前では大阪都構想の実現を訴える演説が流れていた。
都構想が実現すれば、福島区から北区なる漠然とした名称へ変わるのだという。
その福島駅のすぐ前にあるのが、ホテル阪神大阪。
プロ野球チームを擁する大資本にしては地味な駅前にホテルを構えた気もするが、阪神電車にも福島駅は存在するので、つじつまの合った立地ではある。
ここの7階に目的地の阪神サウナがある。
新型コロナウイルスでなにかと流動的な状況が続くが、今は10時から23時までの営業であり、それにもともと夜を越すためのサウナ施設ではないらしい。
ホテル阪神大阪の宿泊者であれば800円で利用できるとのことで、そもそもこのホテルは客室で温泉が楽しめる構造になっている。
もちろんこの阪神サウナにも源泉名「徳次郎の湯」の浴槽が設置されている。
(画像はホテル阪神大阪HPより引用)
実際には例によって多少間引かれながらも、白いサウナマットが敷かれている。
でっかいストーンの乗った対流式サウナは、湿度のある90℃で優しめの設定だ。
このサウナ室には藤波晋太郎、古くは仲田幸司の投球を彷彿とさせる粗っぽさはなく(要するにコントロールが悪いの意)、藤川球児のように全力で投げ込んでくるむやみやたらな暑苦しさもない。
スマートにコーナーに投げ分けて打ち取ってくる、今でいうと西勇輝の投球に近い印象か。
元オリックスなのが悔しいところだが。
(こちらの画像もホテル阪神大阪HPより引用)
右側手前が水風呂。
深さがあっておおよそ16℃、これは源泉を利用したものではないが常に循環していて清潔感があり、安心して身を任せられる水風呂だ。
左側奥には小さめだが露天になっているスペースがあって、地上7階で外気浴ができるのだからありがたい。
「わかっているな」と思わせてくれるサウナ施設だ。
開店から間もない10時過ぎに入店し、マッサージ付きのプランを選択すると、
「マッサージは、ホンマは11時からなんですけど、もうせんせぇ(関西イントネーション)いらっしゃいますから、何時からでもええですよ」
と言われ、一気に大阪に来た実感がわいてきた。
せんせぇのマッサージはゴリゴリ系で、
「こんなにキツくなって、頑張っておられるんですね」
と言われて泣きそうになった。
JR東海の「ひさびさ旅割引」にGoToキャンペーンの割引も適用されると東京からの往復料金は11800円(片道グリーン車)、それに地域共通クーポン3000円が付いてきた。
そして俺は阪神サウナではこのクーポンが使えることをわかっていた。
入浴に40分のマッサージ付きで5900円のプラン、現金の支払いは半額以下だった。
【ホテル阪神大阪】