水沢競馬場で逢おう オーガストカップ

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そのおばちゃんは実在するのか?

というのが今回水沢競馬場をフィールドワークするにあたっての、一番の関心事だった。

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「ホルモンとビールね、じゃあ、1000万円!」

「すいません、これ(1万円札)しか持っていなくて……」

「あー、景気がいいのね。はい、お釣り9000万円!」

そのおばちゃんは実在した。

以上、俺が水沢競馬場の名物ホルモン500円と生ビール500円を楽しんだ話。

1万円札を出して、9000円のお釣りをもらった話。

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去年は馬から禁止薬物が検出されて中止になった開催があった。

他場と同様に売り上げは上がっているが、それでもどこか乗り切れていない危うさがある。

高知競馬が元気になった今、再び競馬の廃止があるとしたら岩手競馬だろうし、そうなればまず盛岡競馬場よりも古くて小さいここ水沢競馬場が切られるだろう。

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しかし実際に来てみれば、人も馬もなんだかみんなが楽しそうにしている競馬場である。

岩手競馬のスケールから言えば、盛岡競馬場は立派だが手に余る。

2年前の夏に行ったことがあるが、レースの合間に音が無くなるのが盛岡競馬場であった。

集まる人と馬に対して、器が大き過ぎるのだ。

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対照的に、水沢競馬場はそこら中から世間話が聞こえてくるような雰囲気だ。

照明設備もあって今は最終レースを18時に設定しているものだから、おそらくは地元の工務店の作業着を着たおっちゃんも、一勝負のために陽が傾いてきた競馬場に駆け込んでくる。

その様子を見て、警備員氏もニコニコしている。

山口瞳が『草競馬流浪記』で描いたところのインチメイト(親密)な空気が、水沢競馬場にはある。

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パドックには電光掲示板なんて気の利いたものはない。

この書体で「ブラジリアンビキニ」。

名前が気になる馬はとりあえず買っておいたほうがいい。

ブラジリアンビキニは6番人気で3着の健闘だった。

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この日8月19日の8レース、高橋悠里を背に乗せて通算99戦30勝のシンゲツ。

高知競馬場での勝利を見たことがあり、川崎競馬場を走る姿も見たことがある。

縁がある馬、しかも記念の100戦目とあれば迷わずにこの馬からの馬券を買ってしまったわけだが、位置取りが後ろ過ぎて盛り上がらない4着だった。

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インフォメイションへ勝ち馬を訊きに行く。

しかし親切なお姉さんでも、未来のことまではわからないらしい。

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ならば自力で。

10レース、メインのオーガストカップを見事的中!

6頭立てだったけど。

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そして暮れてきた最終12レース、しぶとく三連単70倍超を的中!

特に人気薄のセクシーブーツを3着に連れてきてくれた岩本怜には感謝しかない。

無料バスで水沢駅まで戻って、東北線で一ノ関に出て、新幹線なら今日中に帰れる……

なんて考えていたのだが、この的中で一ノ関駅前のホテルに一泊することに決める。

ビキニとかセクシーとか、そういう馬が3着に突っ込んでくる日だったんだな、この日は。

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というわけで、初めての水沢競馬場でした。

俺に三連単を獲らせてくれる競馬場を潰してはいけない。

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その後は、水沢駅近くのお店で一人祝勝会。

馬にもらったお金で馬刺しと馬ユッケを食べてしまうのだから恩知らずだ。

これで現存する中で、未踏破の地方競馬佐賀競馬場だけになった。

その佐賀競馬場には、目の前に馬刺しの店があるらしい。