近鉄バファローズがガラガラの藤井寺球場で野球をしていたのは20世紀。
でも街には何となく残り香があるような。
「当湯は無休です」
入浴料は420円、サウナに入るにはプラス110円でタオル付き。
そしてやはり「当湯は無休です」。
駅からすぐそこ、藤井寺一番街にある「近鉄いてまえ銭湯」藤井寺温泉。
無休と言い切るところにいてまえ魂を感じるが、中には荒々しいフルスイングの雰囲気など皆無、番頭さんの優しい「おおきに」の声に癒される。
ドライサウナ80℃、水風呂は24℃。
他サイトには冬の水風呂が12℃だったというレポートがあったりして、この振り幅の大きさからいてまえ打線の面影を感じ取れということなのか。
他には全身シャワーのジュビナバス、脱衣所のテレビでは阪神戦が流れていた。
サウナ上がりは同じ藤井寺一番街にあるカラオケスナックしゃむすん。
スポーツバーと紹介されることもあるらしいが、正直そんなお洒落な店じゃない。
しゃむすんは断じてカラオケスナック。
俺もマイク渡されたし。
マスターは元近鉄バファローズ戦士、和製ヘラクレスと呼ばれた栗橋茂さん。
この日が66歳の誕生日、もう40年以上藤井寺の賃貸住まいだと笑っていた。
栗橋さんの紹介は↓のサイトを見てもらったほうが話が早い。
『猛牛戦士・金村義明80年代パ・リーグ回顧録』80年代パ・リーグ最強のサムライ
https://bbcrix.com/articles/12052/original
店内には、取り壊し前に藤井寺球場から持ってきたというお宝グッズたち。
野茂が引退して日本に戻ってきてから、近鉄時代を楽しそうに語るインタビューを見たことがある。
あれは嬉しかった。
「大石商店」大石第二郎さんもこの店を訪れたことがあるのだという。
日焼けしてガタイのいい人が店の前をうろうろしている、どうしたんだろうと表に出たらブライアントだったという話も。
「石渡のスクイズはサインが出たところでかわいそうだと思った」
「仰木監督とはほとんど喋らなかった」
「風に弱いから千葉マリンの外野は守れない」
「宿毛のことより、宮崎キャンプで店を半壊にしたのが申し訳なかった」
「38歳か!俺が引退した歳と一緒だ」