和歌山からフェリーで徳島に着いたのは阿波踊りの前日。
ハレの日に備えて黙々と準備が進められている夜。
明日のための練習、夕暮れ時に新町川沿いの公園でお囃子の篠笛を響かせる女性の姿。
そのシルエットが格好良かった。
儚くて、力強くて、あんなに格好のいい女性は見たことがない。
徳島の阿波踊りをめぐってゴダゴタやってたのは、情弱の俺でも知ってる。
市長、観光協会、新聞社だっけ?
公式な前夜祭は設定されていないようだったが、街を歩くと野良阿波踊りの集団が何組も。
少なくともこのお祭り、無くしちゃ駄目でしょう。
無くしたら土地の人の心が死ぬ。
土地の人の心が死んだら土地が死ぬ。
部屋の窓から見えるようなシチュエーションにあったら入るしかない。
表の看板には「AM6:00〜AM1:00」と大胆な営業時間が書かれているのだが、21時半に入店すると「あと30分だけどいいですか?」と声をかけられて、今は22時までの営業らしく危ないところだった。
入口から男湯女湯で別になっている形。
(撮影許可済み)
四国の温浴施設でしばしば見かける、カランの前の椅子が連接で固定されている造り。
勝手なイメージでこれを「刑務所スタイル」と呼んでいるのだが、本当に刑務所の風呂がこうなのかは知らん。
今度サウナ玉泉で、隣に座ったお客さんに訊いてみようか。
これについては実地調査できない人生が望ましい。
サウナマットは無いが簀の子が敷かれているサウナ室が奥の扉の先にあって、こじんまりした銭湯には似つかわしくない広さで何かの秘密基地のように思えた。
遠赤外線式で90℃弱。
水風呂の24℃は、この時期なら仕方がないかという感想。
「明日の朝も来ようか」と言っている親子連れがいて、どうも踊り手として家族で参加するようだった。
サウナ上がり、繁華街まで歩いてみると案外と言っては失礼だが、賑やかだった。
夏だからなのか、週末だからなのか、阿波踊りの前日だからなのか、それともいつだって徳島は賑やかなのか。
客引きに引っ張られるより早く、食事ができる店を発見。
阿波尾鶏、ではない地鶏の親子丼を、徳島美人がニコニコしながら運んできてくれた。