寺山修司なら「俺は本命は負ける乱世の時代じゃなきゃ面白くないんだ」と言い、「何でもいい、とにかくソウルスターリングを負かす馬のファンになってやる」と言いそうなレースだ。しかしとかく経済的な乱世の中で翻弄され痛めつけられながら生きてきた俺に言わせると、ソウルスターリングという馬に逆らおうとするのは徒労だ。この馬を外して買うというのは、捻じ曲がった根性のヤマ勘でしかない。一気に単勝が4300万購入された跡もあるということで、単勝オッズは1.1倍〜1.2倍を行ったり来たり。1975年、単勝1.1倍の支持を受けたテスコガビーは「後ろからは何も来ない!」という実況の通りの大差勝ち。皆が支持した馬が勝ち、皆が拍手を送る。今年の桜花賞はそんなレース。
○アドマイヤミヤビ
ここからは僅かでもソウルスターリングを逆転する要素を秘めた馬を並べたい。その筆頭がアドマイヤミヤビ。前走クイーンCは見事な勝利で4戦3勝。決め脚勝負、全く同じ位置からのよーいドンなら上回れる余地もあるのでは。
▲ライジングリーズン
フェアリーSは人気薄での勝利だったが、前走アネモネSはしっかり人気馬の競馬でモノにした。桜花賞に繋がりにくいアネモネSのイメージと鞍上丸田が人気のブラインドになっている感はある。中山で3戦3勝の立ち回りのうまさを、1枠2番で最短コースを走れる有利さに生かせれば。
△ミスパンテール
去年の夏に札幌で新馬勝ち。7ヶ月休養後に挑んだ2戦目のチューリップ賞で2着。キャリアは浅いが能力の底は見えていない。
△カラクレナイ
田辺!田辺!むざむざ人気馬の後塵を拝するだけの競馬にはしないだろう。
矢作調教師が打倒ソウルスターリングをテーマにハードに仕上げたとのこと。頼もしいが、鞍上武で番狂わせのイメージまでは湧いてこないか。どうだろう。