6月の選手名鑑

f:id:tsumetaimizuburo:20200618132820j:image6月に発行されたプロ野球選手名鑑、ベースボール・マガジン社
例年通り2月に発行されていたのだが、そこからの選手の異動や変更された日程を反映して最新版とされたもの。
これを買った。
今日買った。
今年のプロ野球は紫陽花の候、明日6月19日に開幕するのだという。
本当なのだろうか。

 

選手名鑑はやはりベースボール・マガジン社が2月下旬に発行するものを、毎年買っていた。
東京ドームがビッグエッグと呼ばれ、早速屋根付き球場の利点が生きた雪の日の開幕戦で、巨人の桑田からヤクルトのデシンセイがホームランを打った年から買っていた。
調べてみればそれは1988年のことだった。
ゴルバチョフ書記長にペレストロイカソビエト連邦の時代。
当時はまだ選手個人の住所が掲載されていて、西武の選手が集団で小手指の同じマンションに住んでいることがわかってしまっても、どうってことのない時代だった(人気選手の住所だけは「球団気付」になっていた。日本ハムの西崎とか)。
そこから誰もビッグエッグと呼ばなくなっても、ヤクルトが関根潤三監督でなくなっても、毎年毎年、買っていた。

 

その1988年から買っていた選手名鑑を、2020年は買わなかった。
かつてのように読み込む集中力は失われ、語り合う仲間もおらず。
必要ならシーズンが始まってからでも、ポケットサイズのバージョンを買って球場に行けば十分だと思っていた。
そうしたらシーズンが始まらなかった。
俺はうんざりして辞めたかつての職場で、思いつきで勝手に決めた最終出勤日がちょうど定期券の期限が切れる日だったことがある。
まったくの偶然でも、なにか引き寄せられた思いがすることはある。
結果として俺の厄年に世界中で新型コロナウイルスが暴れ、選手名鑑を買わなかったらプロ野球の春は来なかった。

 

それでも今日、仕事の帰りに選手名鑑を買ったから、新型コロナウイルスの話はともかく、明日プロ野球は開幕できるだろう。
生きて開幕戦を迎えた時点で、今年はすでに全チームが1勝しているといえる。
あとは解説者・梨田昌孝のダジャレが戻れば、いつものプロ野球が帰ってくる。
居間のテレビは子どもたちに取られてしまったから、自分の部屋で存分にプロ野球を楽しむために、俺は明日テレビを買いにいく。

 

あきらめが役に立つのは、新しくやり直すときだけ。だから簡単にあきらめるな。

野村克也) 

 

阿波野いいか。人生は負けたり勝ったりなんだ。ただ、負けたり負けたりになるな。

仰木彬