炭鉱の街と人間の病み

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今年の年末はどこにも行けねえなと思ってた。

もちろんコロナのせい。

あいつのせいで許せない一年間になってしまった。
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それがさ、せめてサウナくらい行こうと思ってプレジデントに向かっていたつもりが、上野駅で特急ひたち7号に乗ってしまって、いつのまにか炭鉱の街へ。

常磐炭鉱。

これなんて妻に説明すればいいの?
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山に挟まれた狭い平地に街が広がっていて、平地が足りない分は山に張り付けるように住宅や墓地なんかがあって、4年前に行った夕張みたいな景色だなと思った。

まあそりゃそうだ、あっちもこっちも炭鉱の街だもん。
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ドカベン』に出てきた、炭鉱の閉山が決まった斜陽の街から甲子園にやってきたいわき東高校。

決勝で、確か岩鬼に逆転ホームランを打たれての準優勝だったはず。
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炭鉱で働いていた人たちの人間関係ってどうだったのかね?

パワハラモラハラ、仕事が終わればアルハラ、そんな感じでなんでもあったんだろうな。
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世紀末は不穏な空気が流れ得体の知れない出来事が起こる。

そんなイメージで語るとするならば、今は本物の世紀末よりも世紀末らしい。
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本当に、今日の朝までは静かに年末を過ごすつもりだったんだ。

それが思い切ってここまでやってきたのは、年が明けたら本格的にどこにも行けない世の中がやってくる、それを確信したから。

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道路の端の側溝から白い煙が上がってんの。

いわき市の湯本のあたりは炭鉱の街で、温泉の街でもあるから。

ずっとマスクをしていれば、白い息さえ実感できない冬のままで終わる。

煙を見ただけでそんなこと考えたりするんだから俺は病んでる。
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俺だけじゃない。

もうたくさんの人が病んでる。

この一年間で失ったものの大きさ、それと張り合うだけのストレスの大きさ。

もう手遅れです。

だからあなたの治療は諦めてください。

2021年のトレンドは医療崩壊です。
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ある程度コロナがなんとかなっても、2020年に失くしたものを取り返そうとする2021年になると思うのです。

しかし失くしたものは簡単に返ってこない、時の流れは取り返せない。

そして人間は失くしたものを無理矢理に取り返そうとした時に病む。
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神なんていないでしょ。

保証する。