当店は会話の自粛中です

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今日は歯医者に行った後、飛田給から府中駅までのロングコースを歩いて、桜湯まで行った。

歩いたことに理由はない。

桜湯の入口には「当店は会話の自粛中です」の貼り紙があって、店内はお湯の流れる音が響くくらいで、静かなものだった。

これを寂しい、と表せば無難でそれなりに社会性のある人間の感想文になるのだが、俺はそうは思わなかった。

もうずっとこれでいいじゃん。

銭湯に限らず人の会話なんて聞きたくないし、俺も会話なんてしたくない。

会話の自粛、大賛成。

なんなら法制化して、会話した人間を、会話をしたという理由だけで、どんどん罰していったらいいと思う。

ただまあ法制化はさておき、これが定着してしまうと、銭湯の業界が拠り所の一要素に含めてきたコミュニケーションの場というか、地域コミュニティのなんとかというか、そういう部分は失われてしまうのだな。

言葉だけがコミュニケーションとは限らないが、睨み合いなら別に銭湯でやる必要もないもんな。

 

ようやく学校が始まった長男が帰ってくるたびに昼寝していて、やはり長い休み明けは疲れるのかと思っていたら、本人いわく以前とは学校の様子が変わっていて疲れるのだという。

何をしても友だちと微妙な距離を取らされて、皆が前のように大きな声では喋らないのだという。

第2波、第3波とくれば本格的に、少なくとも直接のコミュニケーションは悪の時代が到来するのかもしれない。

そうなれば俺は生きやすいが、俺の生きやすい世の中は多くの人には歓迎されないのは、もうとっくにわかっている。

これ以上俺の厄年に世界を付き合わせるつもりはない。

 

明日は早く起きられたら、朝の高円寺を散歩してサンデッキでサウナに入ろうと思う。

遅く起きたら、起きた後考える。

考えてるうちにきっと夕方になるが、昼の長い季節だからそれも結構だと思う。

【文句なし】日本ダービー予想【2020】

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◎コントレイル

○サリオス

▲サトノフラッグ

△アルジャンナ

△ワーケア

△ヴァルコス

 

昨年春、自らを「ハゲ」と自己紹介して文字通り明るく、この俺を今の部署に受け入れてくれたのは56歳の伊藤さんだった。

(本当に伊藤さんなので、どうにかしてこの記事を見つけてくれたら嬉しい)

伊藤さんは1985年の桜花賞馬、エルプスと木藤隆行のコンビが好きだったそうだ。

鮮やかに逃げ切ったエルプスの勝ちっぷりに、伊藤さんの明るさが重なる。

そしてエルプスとのコンビが唯一の晴れ舞台だった木藤の地味さが、事情があって出世を捨ててもコツコツと働き続けている伊藤さんの姿と重なる。

 

明日のダービー、伊藤さんは「強いんだからしょうがないよなあ」と人気のコントレイルを軸にして、しかし相手は人気薄のヴァルコスを選ぶという。

「相手が狂えば、という感じですか?」

と訊くと、

「やっぱツキのある人には乗りたいからな」

と言う。

伊藤さんは生まれてこの方ずっと神奈川県民だ。

大洋ホエールズではなくなっても、1998年の横浜ベイスターズの優勝には、前の奥さんとともにたいそう喜んだという。

馬主としての大魔神にも思い入れがあるのだろう。

「普段はさ、せこい馬券買ってんだからさ、ダービーくらいは好きな馬を買わなきゃ」

と、伊藤さんは土曜出勤の今日も笑っていた。

 

皐月賞で力及ばなかった馬が、ダービーで無念を晴らす。

2着だったサリオスがコントレイルを逆転できれば、美しいダービーには違いない。

ただこの春オーストラリアから、外にも出られず馬にも跨がれない2週間を受け入れてでも日本にやってきた新進気鋭のD.レーンが、全くロスなく騎乗してもサリオスは2着だった。

どうしてか大舞台での取りこぼしが目立ってしまう騎手が、一見チグハグな騎乗をしても先頭でゴールしたのがコントレイルだった。

コントレイルは強い。

コントレイルが強い。

東日本大震災があった2011年、雨の中のダービーを突き抜けたのがオルフェーヴルだった。

こんな年に、こんな年だからこそ、また歴史的名馬の誕生に期待したい。

◎コントレイル、このまま世界に翔んでいけ。

 

○サリオスは上記の見解で次点評価、▲サトノフラッグは色気を捨てた競馬ができればいい線だが逆転までは、△アルジャンナと△ワーケアはダービーでは無視できない内枠の馬、最後の△ヴァルコスは伊藤さんに敬意を表して。

カプセルイン大塚(東京都豊島区)

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大塚と言えばサウナ玉泉の街なのだ。

異論は大いに認める。

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あらゆるものから治外法権のように思えるサウナ玉泉も、新型コロナウイルスの影響は受けていた。

絵入りの貼り紙と合わせて、一人で笑ってしまった。

筆で書かれた、しかし下手くそな文字で、最後に血判なんぞが押されていたら、いかにもこの店らしいのになと思った。
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そして忘れてはいけないのがベランダ外気浴のサウナニュー大塚。

看板には明かりが灯っているが、どうだろう。
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下の記念湯は営業していたが、2階のサウナはまだお休みらしい。

しかし緊急事態宣言の解除で、元気が出てきた雰囲気の周りの飲食店を眺めていると、ここの復活も間近に思える。
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プロサウナーではないけれど、ツイートに呼び込まれて初めてのカプセルイン大塚へ。

奥の角海老宝石の看板がいい味出してる。

ここには文字通り宝石店の角海老があって、ボクシングジムの角海老があって、男たちが惹かれる角海老がある。

角海老の街、大塚。

しかしカプセルイン大塚の入口は少々枯れた雰囲気だ。
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4階に受付、「ゆったりの大浴場」は8階で、間の階にはカプセルがあるのだから、なかなか大きい施設には違いない。

今日は90分1000円のコースで入浴。
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館内では何とかゴシック、と名前を付けられそうな太い文字の貼り紙が目に入るが、浴室前には細めの軽快な書体で「サウナ室は3人までの利用で……」の注意書きが貼られていて、ここもやはり影響を受けているのだなとあらためて思う。

細長く横っ腹にドアがあるサウナ室はぎっしり入れば10人いけそうだが、今はポツンポツンポツンとマットが敷かれていて確かにコロナ対策仕様だ。

ストーン式のストーブはカラカラ寄りの設定、室温計はなかったが脱衣所のサウナ制御盤では90℃の表示。

本来カラカラにしてはもう少し設定温度を上げてほしいところだが、なにせ3人までの利用なので出入りも少なく、汗をかくのに不足は感じなかった。

水風呂には水温計がありこちらは20℃だったが、体感ではもっと低め。

窓がなく全体的に暗い浴室の中ではあったが、水風呂には爽快感があって正直意外だった。

キンキンとは言わないが「キンキ」くらいに評しても間違いはないだろう。

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休憩室への道。

このカラーリングは、どことなく昭和時代のハイセンス。

この先には座布団がたくさん並べられた大部屋があり、爺様たちが横になっている。
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休憩室の窓はワイド大塚ビュー、駅前は再開発が。

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サウナ玉泉、サウナニュー大塚、そして今日のカプセルイン大塚。

大塚は角海老の街であり、サウナに恵まれた街であると言える。

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さて、何か食べて帰るか。

それとも飲んで帰るか。

飲食店もようやく22時まで営業可能になったのだから、ささやかながら社会貢献していこう。

(この後レモンサワー5杯飲んでクラクラしながらなんとか帰った。店の人がニコニコしてるし、こっちも嬉しくなって飲んじゃったよ)

 

【カプセルイン大塚】

http://www.capsule-in-otsuka.co.jp

4月6日はロスコに行った

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ロスコに行ったのは4月6日。

ほら、写真の左上に、ちょっとだけど桜の花が写ってるでしょ?

これは緊急事態宣言とやらが出される前日のこと。
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新型コロナウイルスの影、というより実態がすぐそこまで迫っていた。

世の中が年単位でまずいことになるらしかった。

日本でも何千万人が感染して、何百万人が死ぬと言われていた。

自分が感染して死ぬことについては何も思わなかったが、家族が死んで自分だけが残されたらしんどいな、とは思っていた。

あと田舎の両親がそうなったらどうしようもないな、とも思っていた。
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電車はガラガラだった。

車内は暗くないし、まだダイヤが間引かれていない分だけ東日本大震災の時よりはマシか、と感じていた。

すでに外出は非国民の雰囲気はあって、自粛警察はとっくに活動を始めていたと思われる。

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明日死ぬと思ってはいなかったが、明日から自由に出歩けない世の中になるのだろうとは思っていた。

ある意味、人生最後の日。

俺にはずっと前から人生最後の日は競馬場で過ごすイメージがあった。

人生最後のレースは、中山ダート1200mがふさわしい。

しかしこの日は月曜日で、そもそも競馬は3月から無観客での開催になっていた。

最後の日の過ごし方すら選べない世の中には、4月6日の時点でなっていた。
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自分にとってロスコは居場所、というほどの頻度で訪れているわけではない。

死に場所、と言い切るほど切羽詰まっているわけでもない。

ただここで死んでしまってもいいか、ここで終わってもいいかと思える、魂が落ち着く場所がロスコだった。

そりゃ店の人にも迷惑がかかるし、実際にここでどうこうする気はないけどさ。

ロスコとはずっとそういう付き合いをしてきた。

だから最後に会いにきた。

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サウナは相変わらずカラカラで110℃に迫る勢い、水風呂の水量も豊かなままだった。

ただ店内にはほぼお客がいなかった。

俺と他に誰かいたか、いなかったか、そんな感じだった。
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それでも受付では、おそらくは新人を前からのスタッフさんが指導していた。

追い込まれる側は追い込む側をコントロールできない。

こんな状況でも、今日に続く明日があると信じて生きていくしかないのだなと思った。

それは前向きな感情ではなく、諦めに近かった。

とにかく最後にロスコに会えてよかったなと思った。

こうして、死の病床で朦朧としながら振り返る後悔を、ひとつ減らすことができたのだった。
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ロスコで汗を流した後は、巣鴨まで歩いた。

俺にとって今年の春の風景は、この日の駒込から巣鴨までのものが全てになった。

後は何もない春だった。
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巣鴨のゆたか食堂で食べた昼の定食、たぶん600円。

ごちそうさまでした。

最後の日は、これでもう十分だった。

【圧巻二冠】オークス予想【2020】

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◎デアリングタクト

○ミヤマザクラ

▲デゼル

△クラヴァシュドール

△ウインマイティ

△リリーピュアハート

 

前売りでは単勝1倍台だが、これはもう◎デアリングタクトしかない。

明日は無敗でオークスを制する日になる。

ここまで3戦3勝、いずれもズバ抜けた脚を使っての完勝だった。

来週のダービーにならって先行有利、内枠有利で傾向を片付けられがちな東京2400mのコースだが、例年オークスでは案外差しが届いている。

おそらく先行できても、展開がスローに落ち着いても、この時期に2400mでレースを支配しながら粘り切るほどの底力を牝馬に期待するのは酷なのだ。

これだけ強い馬が出た年に無観客競馬とは切ないが、歴史とは得てしてそういうもの。

いつの日か目の前でデアリングタクトの競馬を観るために、明日の勝利とともに息の長い活躍を期待しよう。

海外に羽ばたいてしまう可能性もあるけれど。

 

◯ミヤマザクラは2歳時から中距離を狙って使われてきたキレないタイプのディープインパクト産駒、▲デゼルは逆にキレだけの勝負になれば浮上してくる。

デアリングタクトを逆転する目があるとすればここまでで、後は三連単の3列目に毎回一生懸命走る姿に好感の△クラヴァシュドール、オークスでは毎年気になる前走忘れな草賞を制した△ウインマイティと1番人気3着だった△リリーピュアハートを組み入れれば十分と見る。