萩の月はあくまでお土産であって、それぞれが思い出と一緒に持ち帰った場所で分け合うもの。
それくらいの気概はあったのだが、気持ちが疲れに負けてしまった。
この日の国分町は閑散としていた。
普段の国分町を知っているわけでもないのだが、開いている店の割に人は少なかった。
なにせお盆休みの最終日。
9連休や10連休をこの日で終える人たちは今頃きっと元気がない。
ずっと働き詰めで、ようやくここから一息入る俺が代わりに元気を出すべきだが、どうにも首と肩と背中が痛い。
ついでに心も痛い。
この先に、俺を癒してくれるかもしれない場所がある。
首と肩と背中と心の痛みを消してくれるならば、いくらでも出す。
とりあえず、まあ、カード払いでいいですか?
公式HPいわく「大人のオトコのためのキュア国分町」に到着。
初めてのつもりだったのだが、店構えを見てここは来たことがあるなと思った。
仙台にプロ野球チームができた後、何年か続けて野球観戦に来ていたので、その時に安価な宿泊場所として使っていたのだろう。
当時はサウナに執着がなかったので、そこのところの記憶は曖昧だ。
ただ野球の記憶は残っていて、当時は田尾安志監督や野村克也監督の東北楽天ゴールデンイーグルスだった。
二軍のオールスターのようなメンバーでは、攻めは短く守りは長くの試合ばかりで、東北のファンは我慢強く見守るものだと感心していた。
このチームは時間がかかるぞと同情的に見ていたものだが、田中将大の入団から徐々に流れが変わって、オリックス・バファローズより先に日本一になってしまった。
嗚呼、オリックス・バファローズ……
(写真:キュア国分町HPより引用)
この写真はいかにも綺麗すぎる感もあるが、小学生なら1クラス入れそうな広さ。
適度に湿のあるドライサウナは90℃台半ば、この後はお楽しみの水深90センチでワイドに水が流れ落ちる水風呂が待っている。
(写真:キュア国分町HPより引用)
この写真もまた綺麗すぎる感があるが、こちらは床にタオルが敷かれて横になって利用する韓国式サウナ。
ドライサウナより10℃ほど低いが、ストレッチもできるので身体の凝った自分にはこちらのほうがありがたかった。
この後はやはり水風呂、そして外気浴。
外気浴のできる露天スペースは、ドラマ『サ道』でフォーカスされているあの施設に負けないくらい風通しがいい。
もちろんフルフラットの「ととのいチェア」も置かれているわけで、こうなると不足がない。
例えサウナ激戦区の上野にあったとしても、充分に人気施設の一角に名を連ねるだけのポテンシャルはある。
横浜のスカイスパのように横から入るスタイルのカプセルで久しぶりに熟睡した。
フロントには近鉄バファローズの7番サードサウナ好き、金村義明のサインも飾られていた。
【サウナ&カプセル キュア国分町】