
三鷹の春の湯のサウナに入っていたら、天井が波打って見えた。
俺もとうとう本格的に頭がおかしくなったかと思ったら、不安よりも安堵の感情が勝った。
これで終われるかもしれない。
もう本能は人生をやめたがっているのだ。
しかし残念なことに、近づいて確認すると天井は本当に波打っていて、俺の見る目は確かだった。
内装部分がたわんできているのかもしれないが、まあ、落ちてこなければ問題ないのか。
脱衣所では「ここは週末は空いてるんだよ」との声が聞こえてきた。
三鷹市も19万の人口がいるはずなんだけど、それでも昼間に人が集まって働くための街になっているのだろうか。
三鷹市役所の職員から、三鷹のために働いているのに不動産が高くて、自分はとても三鷹には住めないと愚痴を聞いたことがある。
結局彼は上野原に居を構えて、週末は自宅でバーベキューを楽しむ生活を選んだのだった。
人を殺す夢を見て、それだけで疲れてしまった一日だったけれど、夜は春の湯の穏やかなサウナで過ごしてトントンになった。
以上