神田セントラルホテルの夜

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結婚する前の妻がこのあたりで働いていて、何度か迎えに来たことがある。あと水道橋のチケット屋がすぐに怒鳴るので、それを避けるためにここまで来て安い野球観戦のチケットを調達していたことがあった。そして現在進行形は神田セントラルホテルのサウナ。こうして振り返れば神田との縁は結構あった。しかしその神田セントラルホテルが 3月末で閉店するのだという。こうなると人生の中に神田に来る理由が残っていない。もう緊急事態宣言が解かれてからかなり経って、理由がなければ移動してはいけない時代ではなくなったけれど、理由がなければ来なそうな場所ではある。この神田は。最近はメンタルがすっかり爺様になってしまって、できないことや手に入らないものがあると「できないままで終わる」「手に入らないままで終わる」の精神性になる。もう神田を訪れることはないかもしれない。神田セントラルホテルに泊まる今夜は、たぶん神田で最後の夜。

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誰が褒めていても、誰が貶していても、自分が好きならそれでいい。

又吉直樹『月と散文』より)

寝る前にもう一度サウナに入ってくるよ。

 

以上