1枠1番 トゥラヴェスーラ
去年の高松宮記念4着、スプリンターズS7着は好走の部類。雨馬場の最内枠もトリッキーな条件で鍛えられてきた丹内祐次の騎乗ならむしろおもしろい
1枠2番 ウォーターナビレラ
条件を探りながらも二桁着順が続く冴えない状況。先行馬だが1200のG1ではすんなりと位置も取れそうになく
2枠3番 キルロード
去年は17番人気で3着に入った大波乱の立役者。今年も人気薄の気配だが、鞍上の和田竜二が得意のグイグイ押しで先行できれば
2枠4番 ダディーズビビッド
前売最終で単勝30.5倍。竹之下で臨んでほしかったというのはさておき、OPと重賞で好走を繰り返してきた馬がこのくらいの人気しかなければ買い目に加えたくなる
3枠5番 メイケイエール
前売一番人気。14戦で(7.0.0.7)の戦績。特段に重馬場が苦手ではないにしろ、蒸し暑く雨が体に当たる状況でスプリントG1の内枠。「ピンかパーか」ならパーに振ってみたくなる。見事に勝たれたら頭を下げるまで
3枠6番 ナランフレグ
去年の覇者だが、あれは伸びる内側でレースを全うした丸田恭介の手腕が大きかった。他の馬とも大差なく、7歳になった今年は軽視でも
4枠7番 ヴェントヴォーチェ
左回りの実績がない(新潟の2戦はともに千直)。前走オーシャンSは見事な勝ちっぷりだったが、中京に移ってそのままスライドした評価は禁物
4枠8番 ロータスランド
去年の2着馬。しかしながら年末はスプリンターズSではなくマイルCSを使われており、陣営は本来ここより長めの距離がベストと考えている様子。雨が降り続けてスタミナを要する馬場と展開になれば
5枠9番 ディヴィナシオン
オーシャンSで1着だったヴェントヴォーチェをいまいち素直に評価しにくいのは、この馬が2着のレースだったから。騎乗する松本大輝にとってはチャンスだが、手応えがあればきっと実績のある騎手が……
5枠10番 オパールシャルム
先行して見せ場を作れれば上々。3コーナーまで粘れれば大成功
6枠11番 ピクシーナイト
実力は認めるところだが、香港での競争中止からのブランクが長過ぎる。引退した福永に代わって戸崎が騎乗する点でも煮え切らない思いが増す状況
6枠12番 アグリ
阪急杯の迫られたゴール前を「1200になれば余裕が出る」と捉えるかどうか。当方はここで壁に当たると見る
7枠13番 ファストフォース
去年は16番人気9着。そこから7戦のキャリアを積んで再びここへ。ロードカナロア産駒、重馬場必至の空の下では500キロを超える馬格も魅力で穴に一考
7枠14番 トウシンマカオ
成長分も込みで考えなければならない4歳馬だが、12キロ増で追い込んで4着だった前走のシルクロードSはいかにも前哨戦。鮫島克駿もトゥラヴェスーラよりこちらを選んだ形で、決死の騎乗を見せてくれるはず。大いに期待
7枠15番 ナムラクレア
前走のシルクロードSを見るに、良馬場だったらこの馬から買いたかった。デビュー2戦目に小倉の不良馬場で勝った実績はあるので、力が出せないことはないだろうが
8枠16番 グレナディアガーズ
去年は12着だったが評価は3番人気だった。前哨戦に強い中内田厩舎だが、にもかかわらず阪急杯で敗れているのはむしろ買い要素かも
8枠17番 ボンボヤージ
北九州記念はまさに大穴一発!だった。中京実績も乏しく、6歳牝馬には無事の完走を祈る思いで
8枠18番 ウインマーベル
59キロを背負い外枠からスタートダッシュ失敗の流れで終わってしまったシルクロードS。1キロ減はプラス要素だが、今回さらに外の枠に当たってしまったのは不運としか言いようがない。大きなレースを勝つには、運も実力のうちなので……
◎トウシンマカオ
◯ヴェントヴォーチェ
▲トゥラヴェスーラ
★ナムラクレア
△ダディーズビビッド
△ウインマーベル
△グレナディアガーズ
どう見ても一番強いのはピクシーナイトだと思いつつ、15ヶ月振りでは難しい。
今年も大波乱かなぁ。
マルタカテンザンという馬には、いささかの思い出がある。福島の酒場で、たまたま知り合った女が別れ際に、私に一万円渡して「なんでもいいから、好きな馬券を一枚買ってください」といったのだ。
「それでもし、負けたら何もいいません。あきらめます。もしその馬が勝ったら、配当金を今度会う日までとっておいてくださいね」
その日は雨だった。オレは競馬新聞を見て、大した根拠もなくマルタカテンザンを選び出して買ってみた。するとマルタカテンザンは、大方の予想を裏切って逃げ切って勝ってくれた。
(寺山修司『日曜の朝の酒場で』より)