ぬるめでいつまでも入れるしょっぱくて黄土色の温泉、暗めの照明でゆったりした間隔が取れるサウナ、冷泉のひんやりした体感が持続する水風呂。
この埼玉県三郷市にある「早稲田 天然温泉めぐみの湯」は、自分の好きな要素の詰め合わせだった。
メロン、イチゴ、レモン、ブルーハワイのシロップを差し出され、「たくさんかけないと底まで届かないわよ」と言ってもらえるのが250円のかき氷。
温泉は源泉の掛け流し、かき氷はシロップの掛け放題。
「あんまり1色ばかりを減らしてしまうのもなぁ」と思い、バランスよく掛けたら子どもらしいグラデーションになってしまった。
どのシロップも、味が同じであることは知っている。
200円のかき氷はシロップかけ放題。
「もっと、たくさんかけないと、美味しくならないよ」
と、温浴界の早稲田は実に気前がよかった。
料理だけでなく、食堂そのものが手作りと評するにふさわしい雰囲気だった。
そうはいっても、ここではかき氷しか食べなかったんだけど。
(府中白糸台日記「早稲田 天然温泉めぐみの湯(埼玉県三郷市)」より)
この「もっとたくさんかけないと…」と言ってくれたのは、今日「…底まで…」と言ってくれたのと同じ人かも。
で、8か月前の俺もやっぱりグラデーションにしていたんだな。
熱いお湯を好むようになったら江戸っ子と認めてもらえますか?
移住してきた一代目では駄目ですか?
そもそも府中は江戸に含まれますか?
友だちをたくさん増やして、習い事を通して大人の知り合いまでできて、ちょっと買い物に出ただけで知った顔と会って話している上の子の姿を見ると、この子は東京の子なんだと思う。
今日は一緒に来たかったけれど、友だちとの約束があると振られてしまったよ。
以上