東京湾で“トド”が発見されました。一体なぜ、東京湾に現れたのでしょうか。発見されたのは東京湾の羽田空港のすぐそばです。じっとしていると思ったら海の中へ…。また顔を見せ、生存が確認できます。
(テレ朝news)
AKスパの、やたらと高いレベルで温度変動が激しいサウナ室のテレビでは、東京湾に現れたトドがほのぼのニュースとして扱われていた。
2011年3月11日の、確か前の日だったと思う。
テレビの情報番組では、なにかの比喩ではなく、文字通り崖っぷちに入り込んで取り残されてしまった「崖っぷち犬」を映していた。
かなり長い時間、映していた。
犬にとってはしんどい時間だったかもしれないが、あれは平和というか、平穏だった最後の日らしい生中継だったと、今になって思う。
トドは元気に本来の居場所に帰れればいい、震災なんてもう来なければいい。
もちろん、そうは思うんだけれど。
俺は31歳まででも平穏な時代を生きられたのだからと、良しとしなければいけないのかね?
しかしそんなことを、俺の横で寝ている子どもたちにどうやって説明すればいいんだろう。
ずっとテレビに映るトドを眺めていたら、もしかしてこのサウナは2011年3月10日に戻るタイムマシンなのかもしれないと思った。
しかしAKスパの外に出てみれば、かつてより元気のなくなった、いつもの歌舞伎町で間違いなかった。