日曜日、休日、年末年始等、一般の歯科診療所が休診の時に、救急の患者さんを対象に応急処置を行っています。
やなせたかし風のイラストだが、ここは高知なので、これは本当にアンパンマンの作者が描いたイラストだ。
俺の2023年は、高知の歯医者で始まった。
大晦日の夜、泊まっていた高知のドーミーインで歯磨きをしていて、右上の歯に心当たりのない欠けがあるのに気づいた。
俺は笑った。
本当に笑った。
年が明けてすぐに歯が欠けるより、すべてを今年に押し付けてしまえる時間に気づいたほうが、まだ気持ちは楽だと思ったのだ。
紅白歌合戦が終わってからゆく年くる年が始まるまでの、短い時間の出来事だった。
欠けた跡が頬に当たることもあって、元日の朝(まさに元旦!)からネットで調べた高知の休日救急歯科診療へ電話をした。
わざわざ東京に帰ってから歯医者に行くと、混雑に巻き込まれるだろうとの思いもあった。
電話のお姉さんはぶっきらぼうで、実際に受付で会うと親切な、よくあるパターンだった。
歯科医のおじさんは「欠けるときは中が虫歯になっていることが多いけど、今回は黒くなっていないから大丈夫でしょう」と、文字では表せない高知のイントネーションで言ってくれた。
欠けた部分を足してくれて、治療は5分もかからずに終わった。
旅先で歯が欠けたのは不運でも、こうしてすぐに手を打ってしまえば、むしろ気持ちのいい2023年のスタートになった。
休日救急歯科診療をしてくれた「総合あんしんセンター」からすぐそこの清水湯に寄ってみた。
何年前だろう、以前来たときは大晦日で、高知の子どもたちとテレビの格闘技を見上げていた。
今日は元日限定の朝湯の日で小さなサウナは独り占め、風呂上がりはスマートな缶のバヤリースオレンジを飲んだ。
ぽかぽかと暖かい高知城の周りを散歩しながら、どうせだったら最初からこの土地に生まれてしまえばよかったのにと、自分に向けて思った。
【清水湯】
https://peraichi.com/landing_pages/view/shimizuyu
以上