ずーっと殴られてばかり。
しかし殴り返してしまえば、俺だけが処刑される。
あの法務大臣ならきっと「こんなもの金にも票にもならん」と悪態をつきながら、雑に天地が引っ繰り返ったハンコを押すのだろう。
予想通りひどかった一日の最後に、少しくらいは自分のための時間を作ろうと、桜湯のサウナへ向かった。
22時を過ぎたら100円になるレイトサウナ料金、それでもサウナ室内は一人ぼっち。
その代わり、5脚置かれたあの白い「ととのい椅子」だけはすべてが埋まっていた。
これもきっと、サウナブームのひとつの形。
腐らずに生きていたらうまくいった美談なんて、相当に生存者のバイアスが掛かっているんだよ。
無理に気力なんか出したところで、実際には「まだまだ搾取できる」と思われるだけ。
サウナで人生なんか変わらないよ。
サウナも人間も誰も助けてなんかくれやしないよ。
ただし、足を引っ張ったり、踏み台にしてくる奴がいない分だけ、人間よりサウナのほうが相当マシなのは間違いない。
自分のことを考えているようで、いったい誰の話をしているんだか。
うーん、離人感が出てきたな。
構われたくないのに構われて、それもまたストレス要因になっているのに、他人事のようにほったらかしている。
こうなったら終わりだよ。
みんなは自分を大事にして生きてくれよな。
完成した失敗作より。
以上