東京競馬場で逢おう 毎日王冠

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今みたいに香港の国際レースをいくつも勝ったり、勝てなくとも凱旋門賞に何頭も日本馬が送り込まれる時代ではなかった。

カナダのブリーダーズカップに挑戦したタイキブリザードは、現地で体調を崩して大敗した。

帰国後は半年かけて立て直し、安田記念で初G1を獲った。

たくましい馬だった。

俺は新婚旅行でカナダに行った時、「タイキブリザードはこんなに遠くまで来て走ったのか」と思ったもん。

タイキブリザードが敗れてすぐに、藤沢調教師は日本に国際電話を入れて、電話口で天皇賞・秋の実況を流してもらって、バブルガムフェローの勝利を知ったなんて話もあった。

ネットライブなんて存在しなかった、26年前の神無月のこと。
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競馬場に入れたり入れなかったりしているうちに、藤沢和雄さんは元調教師になってしまった。

――やり残した悔いは

藤沢 たくさんありますけど、きりがないよね。これぐらいの能力しかなかったので、次に調教師をやる時はもう少し、皆さんの期待に応えられるような成績になると思いますよ、きっと。

東スポ競馬より)

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ちょっと前のように、係員に囲まれて検温させられて、手錠のようにリストバンドをはめられる仕組みではなくなっていた。

子どもの遊具も復活していて、内馬場には家族連れがたくさんいた。

ああ、東京競馬場が戻ってきたなと思った。

府中が還ってきたなとも思った。

府中市民にとって、毎日王冠は秋の季語。
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毎日王冠 理想と現実

◎ノースブリッジ 5着

ジャスティンカフェ 2着

▲ダノンザキッド 3着

△レイパパレ 4着

△サリオス 1着

 

◎が抜けで、△に突き抜けられたら当たってないよ。

この後ギリギリで頑張ってくれていた天気がとうとう崩れてしまって、俺は雨宿りのために最終レースまで勝負して、傷口を広げたのであった。

 

以上