「時間がない時間がない」と口にすると損をすることばかり。
想像力のある、本来なら関わりたかった人から遠ざかっていく。
明らかに視界に入る位置にいるのに、見えないふりをされてしまう。
そのどちらもが、意地悪ではなく気遣いなのだ。
仕方がないけど寂しいね。
自分の影がどんどん薄くなっているのがわかる。
昨日は日付が変わる直前に、わざわざ多磨霊園の脇を通って帰ってきた。
今日だって、桜湯のレイトサウナに間に合わなかった。
秘書にスケジュールを管理されている社長でもないのに、自分の時間が手の届かないところで決めつけられて、勝手に流れている感覚で生きている。
脳みそはスカスカ、予定だけはパンパン。
子どもたちは、ぼろきれのお人形に時間を費やす。だからそのお人形はとっても大事なものになる。それで、とりあげられると泣くんだね…。
明日の俺はなにをするんだろうね、そもそも何時に起きればいいんだろうね。
知らん。
人間たちはもう時間がなくなりすぎて、ほんとうには、なにも知ることができないでいる。なにもかもできあがった品を、店で買う。でも友だちを売ってる店なんてないから、人間たちにはもう友だちがいない。