43歳になりました

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人に話せば誰からもうらやましがられて、本人にしてみれば貧乏くじの面があって、俯瞰すると人生でこれほどのチャンスはもうないだろう。

そのくらいの認識はある。

俺は今年の春から、働いて、学んでいる。

 

職場と大学院の二刀流はなかなかしんどい。

体力面でも、思考力の面でも。

大谷翔平くらいの才能と若さがなければ、あんなに軽々と爽やかに二刀流はこなせない。

俺はいつも疲れているけれど、これは疲れとともに、加齢によって基礎体力が失われた結果でもあることにようやく気づいた。

すなわち今がデフォルト。

余生をすべて肩も背中も腰も脳も重たい状態で生きていかねばならない。

 

さらに俺は疲れると、音が苦になる癖がある。

そこでは物音も声も不問だ。

最近は聖域がなくなって、妻や子どもの声さえ苦になる対象になっている。

精神のエネルギーは枯渇した。

いつか社会の教科書で見た、地球に埋蔵された石油より先に枯渇してしまった。

しかし自分自身の辛さより、こういう男と関わらないといけない人たちのほうが、面倒な思いをしているに違いない。

そのくらいは思っているから、心の中ではずっと毎日、頭を下げっ放しにしている。

 

それでも今まで手掛けた記憶をまとめて、未来のために残さなければならない。

失礼ながら「こんなのあるの?」という学会でも、未来への貢献は設立の意義として書かれているものだ。

よく東北地方の統計を見ていると「果たしてこの数字はデータとして扱っていいのか、もはや情緒論で扱うべきではないか」という気持ちになる。

先細りの社会の中では、油断しているとすぐに大事なものは消えてしまうのだ。

サウナ玉泉しかり、近鉄バファローズしかり。

あれ、話が逸れてきた?

とにかく俺はできる限りの過去を形にして残したい。

それを未来に繋げたいし、繋がる未来はあると信じている。

こんなにくたびれた男でも。

 

今日、43歳になりました。

 

たまには、怒んなきゃあね。

どんなちっちゃな生き物にだって、怒る権利はあるんだから。

だけど、ムーミンパパの怒りかたって、よくないわね。

ちっともはきださないで、みんな、しまいこんじゃうんだもの。

あんたったら、ほんとに自分自身をだますのがじょうずね。

トーベ・ヤンソンムーミンパパ海へいく』より)