「湯ーとぴあ くまのゆ」の思い出

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「さくら~さくら~し~あわせざくら~」のパワーのある歌声が3日経っても耳から離れない、大音量で歌謡曲が流れるサウナ室。

(この歌詞だけをヒントに調べたら、小桜舞子さんの『幸せ桜』なる歌だそうな)

「シャワーの水のほうが冷たいですョ」と、控えめな説明が書かれている水風呂。

(そんなことないョ!シャワーより水風呂のほうが冷たかったョ!でも夏には逆転するのだと思う)

 

脱衣所の壁に貼られている、いかにも前時代の趣なでっかい縦長の温度計には「平成元年」と書かれていて、これは寄贈された年だろう。

平成は前時代なのは、元号だけでなく趣の話まで。

そうなるともはや昭和は古典であり、考古学であるのを認めざるを得ないと、昭和産の人間は思う。

 

志村二丁目の交差点を左折した先にあって、目の前に志村二丁目のバス停があって、それでもここは板橋区志村一丁目。

店の前で大判焼きが食べられたら、なお最高だった「湯ーとぴあ くまのゆ」の思い出。

 

「サウナに救われた」のフレーズは、誰からも雑に扱われて傷んでしまったけれど、それでも仕事帰りにスパッと汗をかいて、気持ちを切り替えた気になんぞなっていると、この趣味に救われていると思う。

こっちは最初から大したものを求めてなんかいないし、やたら求めてくるやつのどうしようもなさも知っている。

サウナもつくづく大変だと思う。

人間は中途半端に救われると、どうしてか逆恨みしてくる生き物だから。