今日は晴れたから沖の島へ行こう

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宿毛市立弘瀬小学校と弘瀬中学校。

人口100人強の沖の島ではそりゃ併設になるよなと思ったのですが、実際には2004年に閉校していました。

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校舎の入口には、ブラウン管のテレビがバリケードのように積まれていました。

今は沖の島小学校と沖の島中学校がやはり併設で、どの集落とも離れた場所に存在しています。

小学生がいなくなれば小学校が、中学生がいなくなれば中学校が、休校します。

休校と再開を繰り返して存続しています。

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この島はざっくりわけると弘瀬地区と母島地区で成立しています。

写真は弘瀬地区の生活を支える西山商店です。

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沖の島周辺には 無人島も多いのですが、かと言って軽視はできません。高知/愛媛 どちらに所属するかによって、漁業の自由度が大きく変わります。土佐・宇和島の國境争いは、元々はそれを巡っての争いだったとも言えます。

沖の島には、

弘瀬(ひろせ/旧土佐)

母島(もしま/旧宇和島

二つの集落がありますが、どちらも西側にあるため宿毛(四国本土)から集落は見えません。

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汐風が強くて、とても畑作には向かない土地に思えるのですが、それでも小さな隙間に作られた畑を発見すると、愛らしくてたまりません。

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弘瀬地区と母島地区では建物の造りにも差があるらしいのですが、なにしろ平地が少ない沖の島です。

離れた場所から集落を俯瞰して、観察するのが難しいのです。

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そういえば南海ホークスに在籍した「両手投げ」近田豊年投手は沖の島の出身だとか。

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ご安心ください、居酒屋もありますよ。

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消防署員が配属されている島には思えないのですよね。

なにかあれば消防団員が頑張る自治の島なのではないでしょうか。

推測です。

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電動自転車を止めてしばし弘瀬地区を散策していると、マスク越しでもハッとする美人とすれ違いました。

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窓を板で打ちつけた、廃屋が多いのも確かなのですよ。

平成の初めには、沖の島には500人もの暮らしがあったらしいのです。

特にここはなにかの商店だったんだなと思わせる、間口の広い廃屋が目立ちます。

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地理的にいえば高知県で違和感のない、土佐領で間違いない島だと思うのですが、宇和島領としての進出は植民地支配のようなものだったのでしょうか。

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電動自転車を貸してくれたおじさんは、「この島にはセンターラインがないもんで、キープレフトで」とありがたいアドバイスをくれました。

たまにすれ違う車は軽トラばかりでした。

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弘瀬地区と母島地区の間は、電動自転車のバッテリーが見る間に減っていく峠です。

この電動自転車は母島地区にあるおきのしま旅館でレンタルしました。

限定5台、2000円。

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普段はこのいもせやというお店でレンタルしてくれるそうです。

府中から事前に電話を入れてみたら、12月30日は朝から店を開けないので、おきのしま旅館で手続きをしてくれとのことでした。

今日のいもせやの営業時間は1430から1600、歳末セールで全品2割引中でした。

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もちろんサウナなどない沖の島ですが、オロポは自力で生成できそうですね。

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風は強いし人も少ない。

明らかに観光要素の少ない年末に来た自分のせいですが、どこにいても海が見えるので、気持ちはずっと解放的です。

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母島地区の郵便局です。

もちろんATMがあります!

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センターラインも信号もない沖の島で、唯一自動ドアが設置されているのが、この母島地区の郵便局なんだとか。

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横浜や横須賀なんぞ相手にならないくらい階段の島なんですよ、沖の島は。

ブラブラするだけで体力が必要なのが沖の島なのです。

この島を満喫しようと思ったら、事前のトレーニングが必須です。

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それにしても、こんなに石を積み上げてでもこの島の生活を作ろうとした先人は、偉大としか言いようがありません。

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馴染みがあるようで、異国のような雰囲気で、久しぶりに海外旅行の気分を思い出しましたね。

すれ違う人たちとはみんな「こんにちは」の挨拶を交わしました。

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一日2便の定期船、行きはやたらと揺れるけれどこんなものなんだろうと思っていましたが、電動自転車を返すと、おきのしま旅館のおっちゃんが「午後は定期船来なくなったんで、トセンでお願いね」とニコニコしています。

トセン?

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トセンは渡船でした。

横揺れ…縦揺れ…

私に船乗りは無理です。

それでも帰れないはずのところに、2000円で片島港まで送ってもらえるのはありがたかったです。

ところで、夜になってもまだ体の揺れが止まりません。