頭数は間にあっている感じだったので、昼で帰ろうと思った。
11時半頃にそれを言い出そうとすると、まさにその瞬間に同僚がやってきて、「今日、半休にしてもよろしいでしょうか」と、本来は俺を相手にしている時ではない丁寧な口調で、しかし真面目に訊いてきた。
俺はどうぞどうぞと休暇の取得を笑顔で勧めて、自らが休む構想を思いついた瞬間に潰した。
そして午後もずっと働いた。
なんならいつもより働いた。
晴れの日が直接結びつく趣味を持っているわけでもなく、おそらく俺が職場を後にしたところで、そこらをブラブラしてここらのサウナに入るだけの午後だっただろう。
そして丸一日働いてきた顔をして、しれっと家に帰っただろう。
実際には本当に一日働いて、帰ると妻から「休日出勤の日くらいもう少し早く帰ってこられないのか」と、あれな口調でなじられた。
俺の晴れた土曜日なんて、そんなもんだ。