時間が経てば「あれができたはず」「これもできたはず」と言いたがる者は出てくるけれど、悪いのはただひとり。
似合わないジョーカー風のスーツを着て、吸えないタバコをふかしていたあいつだ。
東京都調布市を走行中の京王線の電車内で乗客1人が刺され、車内に放火された事件で、殺人未遂容疑で逮捕された職業不詳の服部恭太容疑者(24)が「人出の多いハロウィーンを狙った」と供述していることが警視庁幹部への取材でわかった。「雑踏より確実に人を殺せる電車を狙った」と話しているという。
(讀賣新聞)
社会にしがみついて生きている以上、現実に起こったことは直視しなければならないけれど、それでも京王線の車内が燃えている動画まで見てしまったのは余計なことだった。
怖くなった。
京王線がというだけでなく、もう外に出るのはしんどいなと思った。
ただでさえ夏の鶴見での労働以来、自分のメンタルの地盤がぬかるんでいる実感がある。
これはまずいと思い、友人に時間をとってほしいと頼んだ。
会えばサウナに入って、飲んで、話しているだけなんだけど、それを約束して、その約束を果たすために相当量の勇気を出して事件翌日の京王線に乗って、さらに山手線にも乗って、メンタルのグラウンドに新しい砂を入れてならすことができた。
今日のサウナは駒込のロスコだった。